8月、猛暑日が続いています。
夏休みということもあり、どこも人出が多い印象です。
出かける先々でつい眼に入るものといえば、私はかき氷です。
皆さんはいかがでしょうか。
かき氷と聞いてまず思い浮かぶのは、屋台などで眼にする「氷」と書かれた旗ですね。
カップにかき氷機で削った氷を山盛りにして、好みのシロップをかけてもらうものが「元祖かき氷」というイメージがありますが、歴史は意外と古いようです。
はらわたのひしとつめたし氷水 日野草城
冷えわたる五臓六腑や氷水 日野草城
やき芋の行燈あつし夏氷 正岡子規
三尺の鯛生きてあり夏氷 正岡子規
冨士の雪見なからくふや夏氷 正岡子規
かき氷が史実に登場したのは平安時代。清少納言の『枕草子』に出てくる「削り氷(けずりひ)」が最初だと言われています。
そして、藤原定家の日記「明月記」にも登場します。
製氷技術のなかった当時どうやって夏に氷を作ったのだろうと思いますが、「氷室」で保存するしかなく、特権階級しか口にできない高級なものだったようです。
枕草子に、「削り氷に甘葛(あまずら)入れて、あたらしき鋺(かなまり)に入れたる」とあります。
甘葛とは、葛の樹液を煮詰めた甘味料のこと。
当時から、かき氷には甘いシロップをかけたのですね。
冷風の口にたまるや氷水 正岡子規
夏氷掻くや白雪にはかなる 日野草城
夏氷童女の掌にてとけやまず 橋本多佳子
夏氷鋸荒くひきにけり 川端茅舎
水差にかちんかちんと夏氷 日野草城
氷店がひよいと出来て白波 尾崎放哉
江戸時代の末期には、氷が船で江戸まで大量に運ばれるようになり、かき氷は庶民にも身近な存在になっていきます。
なんと、アメリカから氷を輸入したアメリカ人もいたのだとか。
そして1869年(明治2年)、初めての氷水店が横浜の馬車道で開店したのでした。
当時は、氷を鉋で削っていたそうです。
現在のかき氷と比べると、削った氷も荒かっただろうと想像できますが、それでも当時にしてみれば涼をとるには最高の食べ物だったのではないかと思います。
サクサクト削レル氷粉ヲナシテビードロ皿ニ雪ツモリケリ 正岡子規
ビードロノ水ニ入レタル白玉ノ氷ノ屑ハシバラク解ケズ 正岡子規
をととひも今日もわが行く氷屋の白玉少女我を見知りぬ 正岡子規
昼すぎし竜門外にわれは来て氷水をばむさぼりて飲む 斎藤茂吉
明治20年に氷削機が発明され、昭和に入ってから一般に普及し、第二次大戦後、かき氷専用のシロップが販売されるようになりました。
屋台などにある「元祖かき氷」の誕生といったところでしょうか。
ゆうぐれ、うすきうれいに
氷菓子をすすりてあれば
すこし冷たくなりにけり。
ましろの百合と
しろがねの時計の鳴るところ
はや秋は目をかがやかす。
室生犀星 「氷菓《アイスクリイム》」
今はかき氷も多様化していて、地域それぞれに「ご当地かき氷」なるものもあるようです。
私の住む埼玉にも「雪くま」(熊谷)というかき氷が人気で、お店によって色々な雪くまがあるようです。
秩父では天然水で作った氷を売りにしているかき氷のお店が有名だったり。
ご当地かき氷を求めてお出かけになるのも楽しいかもしれませんね。
暑さ寒さも彼岸まで、という言葉がありますが、今年はどうでしょうか。
突然の豪雨も多くなるこれからです。
今年は被害が少ないことを願って・・・
引き続き、素敵な夏をお過ごしください。