今回弊社の新シリーズ「シリーズ書の古典」で、孟法師碑の解説を担当させていただきました。
う〜ん、なぜかこの頃、スター『雁塔聖教序』と違って、学ぶ方が少なくなってしまったような気がします。
大家方が、この碑をどう捉えていらっしゃったかを見てみたいと思います。
昭和の三筆・手島右卿先生は、この碑を『書道文庫』(昭和14年アトリエ社刊)で次のように仰っておられます。
「現代最も学書者に珍重がられてゐるものである。
これも所々に隷書を出してゐるが、篆情もまた加わって居り、荘重円渾、凝遠古厚なものであって
伊闕よりは一段格調の高いものである。
欧よりも虞の趣が多いものであるが、形は羲之のように扁平で虞のように縦長でない。
がっしりと紙を掴み筆のよく食い込んだ感じのするもので、
気力が充満してねばりと、はじきを蔵し、かなり内容の深刻味を感ずるものがある。
筆は慎重を極め、用意周到この上ないものというべきでである。
(中略)
若くして、このがっしりした鍛錬を経なければならぬことを思うべきである。
(後略)」
(1956年白亜書房刊 右卿臨書集成より転載)
私もこのがっしりとした鍛錬を、ちゃんとしないと😅