季節に映ることば
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桜 現代詩など

2回目:比田井和子

遠い昔から、私たちを魅了してきた桜。時代はめぐり、生活は変わっても、桜の季節になると心が騒ぎます。
今回は詩や散文の一部、童謡唱歌、最後に民謡をご紹介します。すべて著作権が消滅したことばです。

 

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桜の花を見る時、何を想うでしょう。穏やかな陽の光、春爛漫の楽しさ、あるいは美しさの裏に隠された寂しさでしょうか。

桜の花の咲く頃は
うらら うららと 日はうらら

河原で雲雀の鳴く頃は
うらら うららと 日はうらら 「春の唄」野口雨情


さくらだといふ
春だといふ
一寸お待ち
どこかに
泣いてる人もあろうに 「桜」山村暮鳥


春の雨
桜の花をこめてちる  竹久夢二『曙の光』


さくらの花道
花のかげ
白いほんぼり
灯がとぼる。 「花時計」水谷まさる


綺麗な桜の花を見ていると
そのひとすじの気持ちにうたれる 「桜」八木重吉


春は かるく たたずむ
さくらの みだれさく しづけさの あたりに 「春」八木重吉


ところもしらぬやまざとに
ひまもなくさくらのはなのちりいそぐを
いろあわきさくらのはなのひまもなくななめにちるを
あさはゆめむ 「朝はゆめむ」三好達治


後園に
桜は孤樹になって立ち
淡々しい花に満ちる  伊東静雄 『桜』


さくら さくら
やよいの空は 見わたすかぎり
かすみか雲か 匂いぞ出ずる
いざや いざや 見にゆかん  童謡唱歌


踊り踊るなら チョイト東京音頭
花の都の 花の都の真ん中で
ヤートナ ソレ ヨイヨイヨイ ヤートナ ソレ ヨイヨイヨイ

花は上野よ 柳は銀座
月は隅田の 月は隅田の屋形船
ヤートナ ソレ ヨイヨイヨイ ヤートナ ソレ ヨイヨイヨイ  東京音頭

2017年3月13日
     
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