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比田井小葩 › 作品集 › 小径会
1964-65
独自な書風の確立

小径会

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作品1

作品1

おおぞらを びんびんと ひびいてゆこう(八木重吉)

作品2

作品2

光カガヤク(アフルル)蔦カズラ、
ユリウゴカスハ日ノ光。
タダ日ノ光、日ノシヅク。(北原白秋)

作品3

作品3

クロツグミなにしゃべる
畑の向うの森でいちにちなにしゃべる
ちょぴちょぴちょぴちょぴちょ
ぴいひょろぴいひょろ
こっちおいでこっちおいでこっちおいで
こひしいようこひしいよう ぴい
おやさうなんか クロツグミ(高村光太郎)

作品4

作品4

るるり りりり
るるり りりり
るるり りりり
るるり るるり りりり
るるり るるり るるり りりり(草野心平)

作品5

作品5

小さな碧い蝶が
ただよい飛び散りみだれる。
愛の手紙の青い破片がひらひら風に舞うようだ。
(リルケ)「美しい蝶」『果樹園』

作品6

作品6

地面に近く美しい蝶
鄭重な性質の蝶が
つばさの本をひろげて
色刷の模様を見せている。
(リルケ)「美しい蝶」『果樹園』

作品7

作品7

どの子供も知っている、春が何と言っているかを。
生きよ、伸びよ、希望を持てよ、愛せよ、喜べよ、新しい芽をふけよ(ヘッセ 春のことば)

作品8

作品8

いろはにほへとちりぬるをわかよたれそつねならむうゐのおくやまけふこえてあさきゆめみしゑひもせす

作品9

作品9

もくもくと
雪のように
ふるえていたい(八木重吉)
第17 回毎日展(1965)

作品10

作品10

ばらくずる
はげしきことの
おこるごと
第一回創玄展

作品11

作品11

まつゆき草
こころから冬にわかれをつげる
つぐみもくらがりで鳴く
第8回随鴎現代書展(1965年)

作品12

作品12

からたちの花がさいたよ
しろいしろい花がさいたよ(北原白秋)

作品13

作品13

猫は よじのぼった ジャム入れの
てっぺんへ まず右の 前足から
要心ぶかく さて後足 で降りて
からっぽの 植木鉢 の穴へ入った
(ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ)

作品14

作品14

水と月の光りが
しずかに
眼のなかを
ながれていた

作品15
 

作品15

私はひそかに詩がかきたい
だれにもわからない詩がかきたい
そしてそっとそれをしまっておきたい
私は理屈からのがれ出て
そして香気のあるあたたかい詩がかきたい

作品16
 

作品16

私は
誰の字でもない
私の字が書きたい
心のどこかにあるものが
作品の中に感じられ
一見何でもないような
それでいていつまでも
見あきないような
香りの高い字が書きたい

素朴な喜びや
暖かさがあふれた
字が書きたい
忘れられた幼なさを
もう一度呼び戻し
悲しみや苦しみ
なやみや怒りさえも
持っている
正直な字が書きたい

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