2009年11月26日
天遊園老公あて書簡
黄花白酒の候 御老躰御障りも無御無事にて奉遠賀候 弟も無事ニ御座候 此の印影二葉奉呈仕候 御一覧被下度候 一葉は市河ノ方ニ届被下度候 先つハ御見舞迄 匆々 頓首 十一月一日 将軍閣拝 天遊園老公 机下
封筒の消印は明治三十年十一月一日、敬明は山梨の里垣村に隠退していた。
黄菊が咲き濁り酒の時候となりましたが、ご老体にはお障りもなくご無事で、遠方からおよろこび申上げます。私も無事にしております。この印影二枚を進呈いたします。ご一覧いただきたく存じます。一枚は市河(市川大門の渡邊青州と思われる)の方にお届け下されたく存じます。
下図がこの書簡のテーマ、梧竹が東京で9月に手に入れた徳川家康の印影である。うれしいことに封筒も保存されている。