比田井家のお盆は7月です。

13日に迎え火をしました。

一年に一回、亡くなった人たちをお迎えするって、すてきな風習ですね。

 

というわけで

かんぱーい。

常にここから始まる比田井家のお盆。

 

テーブルには、隊長心尽くしのお料理が並びます。

手前はキュウリ、もずく、茹でたオクラ、カニ。

さっぱりしたポンスあえ、夏の味ですね。

 

右のプレートには、一つ一つ味も食感も異なった、宝石のような前菜が並んでいます。

赤と黄色のパプリカマリネは、皮がむかれているので口当たりよく、その下にはグリーンアスパラガスが隠れています。

右下はサーモンのエスカベッシュ。

右奥のシャインマスカットはクリームの上に鎮座し、コーンフレークがさわやかな歯触りを添えます。

左奥は鶏肉と茄子とオリーブのゼリー寄せ。

マスカルポーネチーズとマヨネーズとマスタードを混ぜたソースがかかっています。

その下は、キュウリの小口切りの上に鎮座した台湾のピータンとトリュフ醤油。

白いものが載っているって?

私が間違えて、マスカルポーネチーズとマヨネーズとマスタードを混ぜたソースを乗せちゃったのでした。

左に見えるのは帆立。

 

奥の方には糠漬けの盛り合わせ。

もちろん糠から出したてですが、このあと、時間が経っても茄子の色が変わらなかったのはすごい。

 

お肉は、このブログでもお馴染みの低温調理のローストビーフです。

つやつやと輝くピンク色から、絶品の柔らかさであることがわかりますね。

雑菌が繁殖しないよう、研究をおこたらない隊長です。

左はさらにお味噌に漬けたそう。

パンチが加わって、これも美味しい。

 

実は私も、隊長に触発されて低温調理を始めました。

といっても電気圧力鍋(アイリスオーヤマの「PMPC-MA2-B」)です。

5度単位でしか温度調整ができないので、隊長は「だめだよ」と言いますが、実はなかなかの優れもの。

サラダチキンは絶品です。

ローストビーフはまあまあでした。

ほんとは58度にすべきところ、60度だったせいかもしれません。

 

が、低温調理以外にもいろんないいことがあるのです。

まず、炊飯器としてとても優れています。

ムー教授が柔らかいご飯が好きなのですが、炊飯器で少量を炊くと、周辺がかたくて真ん中が柔らかい。

でも、この電気圧力鍋は、全体が同じ柔らかさに炊けます。

 

それと、さつまいもを蒸すとねっとりと甘い。

 

お出汁をとるときも、昆布を水につけ、60度で40分。

自然な旨味が水に溶け出します。

昆布を取り出してなべモード(蓋をあけたまま)にして、鰹節を投入します。

 

お魚や野菜の煮物にも、最適温度がありそうです。

ネットで見るといろんな実験が始まっていて、これから、という感じです。

新しい味の追求は止まらない。

(書道はどうでしょうか?)

 

鯛(梅酢)とサーモンの押し寿司です。

酢飯にはジャコとガリが入っています。

途中でお寿司が出てくるなんて、酒呑みの気持ちがわかっている!

人数より少し数を増やして作るのが隊長流。

優しい!

 

お盆の定番、カボチャの煮物。

煮汁たっぷりの南谷好み。

ほくほくではないカボチャのほうが、しっとりとできあがるそうです。

確かに確かに。

 

わかりやすいカボチャの次は、これは何?

里芋と牛蒡であることは想像がつきますが、この黄色い粉は何?

ですよね。

きなこでもおからでも卵の黄身でもありません(誰もそんなこと考えないって?)

食べればわかるかと思いきや、わからなかった私たち(情けない)。

なんと、カラスミです。

しかも、里芋と牛蒡は煮たあとで揚げてあります。

すごい発想です。

 

豚肉とお豆腐とレタスのスープ。

美しく澄んだ美味しいスープです。

 

ラストを飾るタンシチューがすごかった!

柔らか〜く煮えたタンと濃厚なソース。

長時間煮れば良いというものではありません。

どうやら、長時間かけて煮上げたタンといろんな味が溶け込んだソースは、別々に冷凍保存されていたっぽい。

グルテンフリーなので、米粉のフジッリです。

小麦粉のフジッリよりなめらかで、みたらし団子の歯ごたえとでもいいましょうか。

ほうれん草が色を添え、これらすべてが相まって、そんじょそこらでは味わえない絶妙のハーモニーです。

 

美味しいものは、温かい笑顔とやさしいことばをもたらしますね。

本当にごちそうさまでした。