2024年11月16日、佐久市主催「比田井天来・小琴顕彰 佐久全国臨書展」が開幕し、授賞式が行われました。
紅葉が見頃を迎えていました。
青い空と澄みきった空気、秋まっさかりの中に美術館があります。
会場は佐久市立近代美術館です。
会期は2024年11月23日(土曜日)から12月15日(日曜日)まで。
展示替えがあるので、11月25日(月曜日)、12月2日(月曜日)、12月5日(木曜日)、12月9日(月曜日)は休館。
開館時間は午前9時30分から午後5時まで、この期間は入場無料です。
臨書展会場は2階と3階ですが、1階の第一展示室には、比田井天来の屏風と小琴の料紙作品、臨書展審査員の作品が展示されています。
「書譜」を臨書したこの屏風は、かつて『比田井天来の書』(教育書籍発行)に掲載されたもので、実物が展示されたのは初めてではないかと思います。
美しく格調高い書です。
田宮文平先生ご所蔵だった『学書筌蹄』の初版本も見ることができます。
比田井天来が古法を発見したとき、これが本当に古典の筆法であることを証明するために、12種の古典を全臨したもので、大正10年から刊行が開始されました。
自信に満ちた力強い臨書が掲載されています。
書学院出版部で復刻した全巻本は品切れですが、「学書筌蹄抜粋第二集」が天来書院から発行されています。
かなは小琴が担当しました。
では、臨書展会場をご紹介しましょう。
天来賞です。
右から空海灌頂記、楊淮表紀、光明皇后楽毅論の臨書です。
楊淮表紀が入ってくるあたりは、天来門流ならではですね。
かな部はほとんどが原寸臨書。
色とりどりの美しい料紙が使われていて、華やかです。
中央が小琴賞、針切の臨書です。
高校生の天来賞です。
「曹全碑」、「解伯達造像記」、「空海灌頂記」。
一般部に負けないほど、力強い作品が目を引きます。
これは小学生と中学生の天来賞です。
審査をしていて、一番楽しいのがここです。
左から小学校一年生「牛橛造像記」、二年生「金文」、三年生「孫秋生造像記」、四年生「自書告身帖」、五年生「孔子廟堂碑」、六年生「牛橛造像記」。
続いて中学校一年生「鄭羲下碑」、二年生「始平公造像記」、三年生「風信帖」。
高校生部では、表具代を節約するために、こんな工夫をしています。
業者さんに支払う金額は安くなっても、展示はその分、とても大変だそう。
感謝しかありません。
午後には授賞式が行われ、恒例の審査員による揮毫会がありました。
YouTubeで動画を見ることができますよ。
なんといっても最初は「かな」。
漢字の先生方の手にかかると、墨が飛び散って汚れますからね。(あとでわかる)
高木厚人先生は本阿弥切を半切に拡大臨書してくださいました。
地元代表の加藤春暉先生は王羲之蘭亭序の臨書です。
眼にも止まらぬスピードでした。
友野浅峰先生は「木簡」です。
本年度審査員長の髙橋蒼石先生は「金文」。
仲川恭司先生は「残紙」です。
最後はたいへん。
石飛博光先生が、「賀蘭汗造像記」を全紙4枚に書いてくださるとうかがっていました。
お手本はこんな感じなのですが。。。。。
紙を並べるところから始まります。
せっかくきれいに並べてくださっているのですが。
ただ並べたんじゃおもしろくないから、変化をつけよう。
紙がジグザグに並んて始まりました。
が。
長さが足りない。
紙を下にもう一枚置きました。
紙が筆にくっついてきちゃうけど、なんのその♫
完成です!
詳細はYouTube動画をご覧ください。
楽しい揮毫会でした。
審査員の先生方、そしてご覧になっていた受賞者のみなさま、ありがとうございました。
それにしても、受賞者しか見ることができないのはちょっと残念。