バラが咲き始めました。
天来書院ホームページでは、作品に書きたいことばがいろいろな場所にちりばめられています。
その中からバラの詩や漢詩、和歌が、たくさん紹介されているページを4つご紹介しましょう。
まずは、作品に書きたいことばを集めた「季節に映ることば」から「バラが咲いた」。
【薔薇二曲】 北原白秋『白金之独楽』
一 薔薇ノ木ニ
薔薇ノ花サク
ナニゴトノ不思議ナケレド。
二 薔薇ノ花。
ナニゴトノ不思議ナケレド。
照リ極マレバ木ヨリコボルル。
光リコボルル。
上記をはじめ、訳詩9、日本の詩8、短歌12が紹介されています。
「みやと探す・作品に書きたい四季のことば」は、2007年1月から2010年12月まで連載されました。
編者は筒井ゆみ子先生です。
2007年6月 「六月の薔薇・薔薇(ばら・さうび・しやうび)、野薔薇、うばら」と題して、漢詩・和歌・散文・近現代詩が21紹介されています。
【憶東山(東山を憶[おも]ふ)】白居易
不向東山久
薔薇幾度花
白雲他自散
名月落誰家
東山に向かはざること久し
薔薇[しやうび]幾度か花さく
白雲他[かれ]は自[おのづか]ら散[さん]ず
名月誰[た]が家にか落つ
2009年6月 栴檀・薔薇
薔薇の詩が4つ紹介されています。
【白ばらの匂う夕べは】 原詩作者不詳 訳詩 高橋伸夫
白ばらの匂う夕べは
月も夢を見ている
窓辺のまがきの闇にもほのかに
別れた友の手
ひとりおもう
白ばらの匂う夕べは
月も夢を見ている
同じく筒井ゆみ子先生の「ひたちと歩く言葉の森散歩」は、2011年1月から2012年6月までの連載です。
2011年5月 バラの漢詩
李白・白居易・源時綱の漢詩。読み方と現代語訳付きでの紹介です。
【憶東山二首(其一)[東山を憶(おも)ふ(其の一)】李太白
不向東山久
薔薇幾度花
白雲還自散
名月落誰家
東山に向かはざること久し
薔薇(さうび)幾度(いくたび)か花さく
白雲還(ま)た自(おのづか)ら散ず
名月誰が家にか落つ
東山に出向かなくなって久しいが
その間 薔薇は 幾度花開いたことだろう
白雲は絶えず浮かび また散って 時は過ぎゆき
今 明るいこの月影は その地の誰の家を照らしているだろう
昔からたくさんの人に愛されてきたバラ。
気品にあふれたバラをうたった美しい詩を素材にして、作品を書いてみませんか?
筒井ゆみ子先生の著書「みやが選ぶ小さな詩集 美しい四季の言葉」はこちら。
最後に、中野北溟先生の作品です。
すばらしいですね。
『花の詩を書く』に収録されている作品です。