「第八回 比田井天来・小琴顕彰 佐久全国臨書展」が開催されます。

 

2019年12月11日(水)から12月21日(土)(12月16日休館)

開館時間 午前9時00分から午後5時00分(最終日は15時00分まで)

会場 「佐久市立天来記念館」「駒の里ふれあいセンター」「佐久市望月支所」

入場無料

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臨書展と、12月14日と15日に開催される「天来祭り」のご案内はこちら

 

受賞作品をアップしました。

天来賞・小琴賞の画像はこちら。その他特別賞はこちら

以下はその講評です。

 

2011年に始まった「比田井天来・小琴顕彰 佐久全国臨書展」は、今年で八回目を迎えます。

出品総数は3412点。審査は小学生・中学生・高校生・一般漢字・一般かなの各部門について行われました。

 

一般部の天来賞は、それぞれ味わいの異なる三点が選ばれました。

 

臨楊淮表紀(小川玄濤) 臨祭姪文稿(松多風露) 臨雁塔聖教序(臼井千尋)

 

原本のもつ素朴な趣を表現した「臨・楊淮表紀」は、深く静かな世界を見事に作り出しています。

豊かな墨量の中に渇筆を活かした「臨・祭姪文稿」は、動的な迫力にあふれていますが、その奥に洗練された強さが感じられます。

「臨・雁塔聖教序」は、鍛えられた線質とゆるぎない字形によって、半切という小さいサイズでありながら、伸びやかで懐の広い作品に仕上がりました。

 

それぞれ、原本の深い理解に基づいた臨書の可能性を気づかせてくれる作品と評価されました。

 

高校生部には力強い迫力あふれる作品や、若者らしいナイーブなものなど優品が目立ちました。

小中学生の審査では、未熟ながら原本の特徴を見事にとらえた臨書に驚く場面も多く、書という芸術の深さを感じる審査でした。

 

優れた臨書作品を書くためには、古典の奥に秘められた価値を見抜くための眼力が必要です。

今まで隠されていた本質を浮き彫りにして審査員を驚かすような作品を期待しています。

同時に誤字脱字があったり、文章の切れ目が悪いと特別賞からはずれますのでご注意くだい。

   審査員代表 石飛博光・高橋蒼石・比田井和子

 

 かな部の審査について

 かなは、一般的によく知られた古筆が圧倒的に多く、日頃から親しんでいるためか、上位賞には字形のみならずリズムも掌中にした秀れた作品が選ばれました。

また今回は、拡大臨書に水準の高いものがあり、今後のかなの学書の参考にして欲しいと思います。

拡大の場合は、原帖の模倣だけでなく、作品としてまとめる意識も必要です。

全般に丁寧な臨書表現で、好感を持ちました。

   かな部審査員 下谷洋子

書道