前回は、比田井天来が雑誌に発表した「道人が使用した用筆の変遷」を全文ご紹介しました。

筆にこだわる作家はとても多いと思います。

今、天来書院で「筆のセール」をやっているので、用途別にご紹介したいと思います。

 

 

初心者向けの筆

まずは初心者向けの筆です。

最初から、毛の柔らかい羊毛筆を使わせる先生もいらっしゃいますが、一般的には、適度に腰のある、穂先が短めの兼豪筆(数種類の動物の毛を混ぜて作られる)が良いですね。

百均でもいいだろうって? ダメです(キッパリ)! 曲がった毛先が元に戻りませんよ。

上達したかったら、書道用品の専門店で、2000円程度の筆を書いましょう。

 

筆のメーカーさんは、どこでも工夫をして、初めてでも書きやすい筆を作っています。

上の2本は、穂の根元が太くなっています。ここは「だるま」と呼ばれ、書く時に筆の重心が下に来るので安定します。

 

実用書

続いて、手紙や表書きなど、実用に適した筆。イタチなど、かための毛が使われているので、速く書けます。

手前は「写巻」という中国の筆。中央がイタチで、根元の大量の羊毛が支えています。先が利きます。

 

筆

作品用には、個性的な筆があります。手前は上田桑鳩先生が考案した「暖心(先揃えの筆)」。次は比田井天来が晩年に愛用した腰のある羊毛筆で、その上も天来愛用の籠巻(籐巻)筆。

次は細いのにすごく長い穂の羊毛筆。これが使いこなせるのは、かなりの達人です。

一番上は「無銘筆」。全紙に写仏を書くために「同じ太さの線を長く引く筆が欲しい」と頼まれて作った筆だそうです。書道テレビで石飛博光先生が使ってくださり、大人気になりました。

 

筆のセールは9月30日までです。消費税の上がる前にぜひどうぞ!

(今回は宣伝に徹してしまいました・・・)

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