象さんの耳打ち
天来書院
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第8回 佐久全国臨書展(1)授賞式

「第8回 比田井天来・小琴顕彰 佐久全国臨書展」

14日と15日は、授賞式+天来まつり!両日とも盛況のうちに終了しました。その模様をお伝え致します。

12月半ばの長野…ということで、その寒さが心配されましたが、この日は快晴で暖かな日差しに恵まれました。

直通バスがいっぱいのためタクシーで追いかけましたが、運転手さんに「天来記念館へ!」と行き先を告げたところ、「今日何かやってるよね!?」とご存知の様子でした。町の人たちが知ってくれているのはうれしいですね。

到着した我々は、続々と天来記念館になだれ込みました。

あっという間に満員……

皆さん譲り合いながら鑑賞していましたが、すべて見ることはできたでしょうか。

 

ここでは、授賞式に先立っての作品解説が行われました。

比田井天来・小琴の作品と、現代を生きる臨書展受賞者の出品作が同居する貴重な機会。

そして今回の審査員の先生方の作品も並んでいます。

上奥から石飛博光先生臨「楊淮表紀」、市澤静山先生臨「張猛龍碑」、

高橋蒼石先生臨「金文」、中原志軒先生臨「刑徒塼」、

船本芳雲先生臨「中明之壇題字」、山中翠谷先生臨「祭姪文稿」、

加藤春暉先生臨「十七帖」、

下奥から河村和子先生臨「躬恒集」、下谷洋子先生臨「敦忠集切 伝藤原行成」。

 

本日いらっしゃっている審査員の方々には、自作の解説をして頂きました。

高橋蒼石先生

 

中原志軒先生

 

山中翠谷先生

 

加藤春暉先生

 

河村和子先生の代わりに、今田早苗先生

 

石飛博光先生

 

軽妙な語り口で盛り上がります。

 

そして受賞者の作品ひとつひとつに触れていきます。

※なお、受賞作品は(→こちら)からも見られます。

出品者ご本人がいらっしゃった場合には、作品制作の思いを語って頂きました。

石飛先生より上手くなる、と約束させられてしまった…

しかし線の強さは見事です。

 

今年は東京国立博物館での「顔真卿展」にて、『祭姪文稿』が日本初公開ということでずいぶん話題となりましたが、その影響からか祭姪文稿の臨書作品は特に多かったように思います。

いずれも「ああ、祭姪だなぁ」と思わされる線を持ちながら、それでもなお違った個性を放つ臨書作品の面白さ。

鑑賞する側としても、原本を知ればより楽しみが大きくなります。

 

そして授賞式の始まり。

数百人規模の参加者で会場は前も後ろもぎっしり。

今年も三千点を超える出品数となり、その中から特に優れた作品に対し表彰が行われました。

中には完全に独学の方もいらっしゃいました。何が起こるかわからないのが、この臨書展の面白さです。

 

この後は揮毫会です。

書壇の最先端を行く審査員の方々がその場で作品を書く様子を、間近に見ることができるスペシャルな時間が始まります。

つづく。