象さんの耳打ち
天来書院
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『桑原翠邦の世界』 益子で、くらしの中の書を味わう

11月も半ばだというのに、秋本番が来るのか来ないのか、いまいち二の足を踏んでいる今日このごろ。

ある書道展の準備のお手伝いのために、益子焼で有名な栃木県の益子へ行ってきました。

 

桑原翠邦の世界・チラシ

開山900年の歴史を誇る古刹「正宗寺」にて開催の書展『桑原翠邦の世界』。

 

桑原翠邦(くわはらすいほう 1906-1995)は、現代書道の父・比田井天来の一門としてその期待を一身に受け、日本全国および中国大陸を遊歴。古典臨書を柱とした学書理論の敷衍に身を投じました。

旅をねぐらとした翠邦の作品は日本全国に所蔵されていますが、今回は日本随一の所蔵家である井上素山先生が、ご自身のコレクションの中から40点程を初公開する展覧会を開催されます。

長く書に携わり、翠邦の系譜に連なる井上先生は、展示会場である正宗寺のご住職でもいらっしゃいます。

 

正宗寺庭

紅葉まであと少し!もっと冷え込みが深まれば、燃え盛るような赤と黄色の景色になるはずです。

展覧会期間中にちょうど気温がぐっと下がるタイミングがあるようなので楽しみですね。

 

準備は・・・・・・あ、終わってますね。

高速で道を間違えて大幅に遅刻しました。申し訳ございません・・・

でもこの後のお食事はしっかりごちそうになりました。

この連作は元々屏風だったもの。そして手前に風信帖の素晴らしい臨書が!

会場は本堂の障子に布をかけて壁にしているため、作品の裏側からやわらかな光が差し込み、これまであまり目にしたことのない神々しい会場演出となっています。

露出を抑えて撮影すると幽玄の世界に。書と光の共演を楽しませて頂きました。

 

 

いっぽう、庫裏では生活空間の中で書を味わう趣向となっています。

翠邦の考えである「家庭に入る書」を実践して見せてほしいという、私のワガママを聞き入れて下さいました。

玄関にて最初にお出迎えの作品。益子焼とのコラボレーションです。

床の間

床の間でも益子焼といっしょに。

三種三様のたたずまいが飽きの来ない空間を作り出しています。

障子を開けて入り、ふと振り返るとそこに軸ものがひとつ。

こういうさりげない仕掛けを作るのも楽しいですね。

 

展示期間はごくわずかです。お見逃しなく!

 


 

《ご案内》

桑原翠邦の世界

開催日程:2024/11/21(木)〜11/24(日)10:00〜17:00

会場:時宗 正宗寺 (入場無料)
〒321-4217 栃木県芳賀郡益子町益子3615

WEBサイトはこちら

地図はこちら(google map)

公共交通機関でのアクセス

・真岡鐵道「益子」駅からタクシーで3分

・JR宇都宮駅から
関東自動車バス「宇都宮駅」西口14番のりばより 行先番号91「益子駅」行き「栗崎」下車(1時間10分)>徒歩3分

バス時刻表はこちら