高田竹山(たかだちくざん)(文久元年・1861~昭和21年・1946)漢学者、文字学者・書道家でもある。江戸に生まれる。名は忠周。字は士信。竹山は号で、別に未央学者がある。初め書を高斎単山に学び、漢学を植村蘆洲に学ぶ。書塾を両国薬研堀に開いていたが、明治18年、塾を閉じて印刷局にはいった。後、漢学、文字学を研究し一家を成した。著書・字典に『行草字彙』『漢学原理』『漢字系譜』『説分捿要』『漢字詳解』等があるが、とりわけ有名なものに『五體字類』『朝陽字鑑精萃』がある。前者は簡便な書体字典として、いまだにベストセラーとなっている。ただ書体字典としての生命線である文字図版原稿が、すべて製作者の書き写し原稿であり、版を重ねていくごとに精彩を欠いていくため、信頼度からいうと、かなり問題となる字典であるといわざるを得ない。

後者は大著『朝陽閣字鑑』のダイジェスト版で、今でも出版されている。『朝陽閣字鑑』は全8冊から成る書体字典で、明治35年から36年にかけて、木版刷り、袋綴じ唐本仕立てで、吉川好文館から上梓された。この出版により、高田竹山の名は不朽の者となった。

右・『朝陽閣字鑑』高田竹山編 比田井天来題字(表紙に直接書き込んでいる)
左・「古籒篇自序」高田竹山書(部分)   

右・『説文字源譜』(部分)
左・『説文字源譜』(馬部分)

右・『朝陽閣字鑑』巻二十三表紙
左・『朝陽閣字鑑』巻二十三・第一ページ

『朝陽閣字鑑』巻二十三・第二ページ 第三ページ