香港M+ パビリオンの特別展示「似重若軽」

2017年10月18日

香港の西九龍文化区で2019年にオープン予定の美術館「M+(エム・プラス)」は、美術だけでなく、デザインやドラマ、建築など、20世紀以後のヴィジュアル・カルチャーを包括するもの。現在6000点という膨大なコレクションがあり、今後も増やしていくそうですが、その中に比田井南谷作品が6点あります。

10月13日から、美術館が所蔵する水墨のコレクションを紹介する「似重若軽 The Weight of Lightness: Ink Art at M+」が開催され、南谷の作品も展示されるとのことでしたので、行ってきました。

香港は初めてです。

香港島の観光名所、ビクトリア・ピークからの景色です。細長い摩天楼が所狭しと立ち並ぶ光景にびっくり仰天! 巨人が歩いたら痛そう。香港島と違い、九龍(クーロン)島はあちこちで工事の真っ最中。活気にあふれていました。

 

香港島から九龍島の方向を撮影しています。左が南谷作品でお世話になった東京画廊の田畑さん。右はムー教授、真ん中が私です。田畑さんの後ろにノッポのビルが見えますね。

 

その左側に建設中なのがM+です。完成したら、ウォーターフロントの景色も変わりますね。現在、パビリオンだけが建っています。

では、行ってみましょうか。

 

パビリオンのまわりに張り巡らされた大量のポスター。なんか見覚えがあるモノが。

 

こ、これは、南谷の作品ではありませんか! しかも、四つ目が三つ目になったぞー。もとはどんな作品か、見たいって? まあまあ、そうあせらずに。

 

これが展覧会が開催されているパビリオン。壁面が鏡のように、樹々を映しています。左側から入ります。

 

入り口です。開会の前日、12日夜のオープニングレセプションのときの写真です。

 

展覧会のテーマは「既存の枠を超えた多様な『水墨』」のコレクション」。「水墨は伝統的なアジアの書道と山水画を指すが、同展はそれを1つの制作手法ではなく、現代における美学の1つとして捉える(館長談)」そうです。「王無邪、比田井南谷、ナム・ジュン・パイク、李禹煥、徐氷、郭孟浩、劉國松をはじめ、香港、中国本土、台湾、日本、韓国、インド、アメリカとスペインなど10以上の地域からの、42名のアーティストによる約60点が展示されている」とありました。

南谷の作品は二点展示されていました。左の四つ目がポスターのもとになった作品です。

で、日本の作家は南谷だけだと聞いていたのですが、お隣は、

 

森田子龍先生です! 嬉しいやらびっくりするやら。先生の作品や業績を見れば選ばれるのは当然ですが、こうして、交流も深く、同じ年の作家の作品が並ぶのは心踊る瞬間でした。

 

M+の館長、スハーニャ・ラフェルさん。生き生きと、美術館のコンセプトやこれまでの経過、これからの計画などをお話くださいました。(英語なので完璧にはわからなかった・・・・・。)

 

でも、完成しているのはこのパビリオンだけ。まわりは工事真っ最中。広いです!

 

なので、パビリオンに行くまでに工事中の場所を通っていきます。右側は歩行者道路。左に車が入れる道があります。タクシーの運転手さんも知らないので、「絶対に行けます!」とがんばらないと降ろされてします。降ろされたらここを通りましょう。

 

パビリオンの地図がありました。展示は1月14日まで。休館日があるのでご注意を。

最後に、館長のことばを引用します。

「今回の展覧会は『水墨』に対する既存の認識と枠を破ろうとしています。伝統という重い責任を背負ってる『水墨』ですが、それ自体はとても軽快で、洒脱な表現手法です。アーティストの持つイメージや冒険精神を充分に走らせ、無限な力を持っています」

ラフェル館長のインタビューはこちら。M+の記事はこちら

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書道