2014年10月28日

瓦削文字

萬.jpg
少部数しか作ることができない書籍は、なかなか重版ができません。
そこで、ホームページに、残部僅少本のコーナーを作りました。




最初は、比田井南谷編、書学院出版部製作の「陶塼瓦削文字集録」です。
陶器や塼は、型押しが一般的ですが、中国戦国時代から漢時代にかけて、粘土がまだ湿っているうちにヘラなどで文字を書いたものがたくさん作られました。これが「瓦削(がさく)」と呼ばれるものです。粘土をひっかくわけですから、抵抗があり、紙と筆のようにすらすら書き進むことはできません。これが面白い味わいをうみ、比田井南谷が興味をもったのです。

2.jpgこれは急就章を彫った塼です。筆意というより、刀意とでもいうべき味わいですが、龍門造像記の味わいとも、また篆刻の味わいとも異なっています。

臨書.jpg右がもとの塼で、左は南谷の臨書です。
お手本としてはかなり高度なものなので、重版するのは無理。残部はなんと9冊です。欲しい方はお早めに。

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