空海風信帖の読みかた
お客様からお問い合わせをいただきました。
空海風信帖 忽披帖第四行五番目の文字についての質問。
二玄社の各種技法講座では全て、儀としています。
東京国立博物館2006書の至宝展カタログP.364では、儀。
天来書院 奈良平安の書②「風信帖・灌頂記」では、縁。
角川書店角川書道字典では縁となっています。
いったいどちらが正しいのでしょうか。ご教示いただければ幸いです。
メールでご所見をいただければ、それをこの質問書の宛先に転送して
研究の一助とできればと考えております。
問題の部分は
右から二行目上から五字目。
この字です。確かに「にんべん」みたいに見えますね。
ご担当の箕毛政雄先生にうかがったところ、東京美術から発行された「弘法大師書蹟大成・鑑賞編」(昭和54年)に掲載されている、山崎大抱先生の論文のコピーを送ってくださいました。
山崎大抱先生の論文から引用しましょう。
「縁」はほとんどの釈文が「法縁」を法儀と読ませてあるが、何としてもうなづけない。糸偏は空海の青年時代の書である聾瞽指帰にも挿図(下掲)のように書いている。いわば空海の癖で若い時からそのように書いている。イ(にんべん)は第一画と第二画を切って書いてある。法儀でなくて法縁であると思う。
空海が若い時に書いた糸偏の字とは
右上から縦・絶・終・縁。なるほど!
「儀」とする根拠については、そのうちに回答があると思います。
「縁」はほとんどの釈文が「法縁」を法儀と読ませてあるが、何としてもうなづけない。糸偏は空海の青年時代の書である聾瞽指帰にも挿図(下掲)のように書いている。いわば空海の癖で若い時からそのように書いている。イ(にんべん)は第一画と第二画を切って書いてある。法儀でなくて法縁であると思う。
空海が若い時に書いた糸偏の字とは
右上から縦・絶・終・縁。なるほど!
「儀」とする根拠については、そのうちに回答があると思います。