鄭道昭と山東の磨崖
毎月第三木曜日と金曜日は、Ustreamでライブ中継をしています。
木曜日にお送りしてきた二つの番組は、3月をもって、しばらくの間お休みになります。
3月20日(木)午後6時からは大五郎先生の詩文書教室、毎回投稿作品の添削です。次回のテーマは山村暮鳥の詩の一節「とほく とほく 豆粒のやうなふるさとだのう」。どんな作品が集まるでしょう。
午後8時からは高橋蒼石の臨書教室。次回のテーマは「鄭道昭と山東の磨崖」です。
磨崖(まがい)というのは、磨かれた石にではなく、自然の岩に文字を彫ったもの。いわゆる「石碑」とはちょっと違う、スケールの大きいものです。紙が発明される前は「書丹」といって、石面に直接文字を書き、彫りました。青空のもと、自然の岩石相手に筆をふるうのは、さぞ気持ちがよかったことでしょう。
今から40年くらい前、これを「雄大な野外芸術である」とおっしゃったのは松井如流先生でした。なんてすばらしい表現だろう! そう思ったのは私だけではないはず。
その松井先生の高弟、尾崎學先生をゲストにお迎えしてお送りするのが、次回の番組です。
では、中国、山東省へ行ってみましょう♫
遠くに見えるのが雲峰山、生い茂った樹木の上に突き出た岩山です。中国の仙人はこんな山に棲んでいます。(どうしてこんなところが好きなのかな)
じゃーん。有名な「鄭羲下碑」はこんな風になっています。あの割れ目ぎりぎりのところに彫ってある「頌」が完璧な拓本が「頌字未損本」ですよー。
こちらは天柱山。屋根が見えますね。あそこにあるのが
鄭羲上碑です。ちょっと傾いちゃってます。このあたり、地震が多いんです。こわ!
ここへいらした方は少ないんじゃないかしら。徂徠山です。これもへんな山ですね。てっぺんに見えるのが映仏巌。
この岩です。下の方に「文殊般若経」が彫ってあります。北魏の後、北斉時代の書です。
これです。「映仏巌 文殊般若経」。あれ? 見たことある! って思った方、あなたは偉い!
というわけで、次回の「高橋蒼石の臨書教室」をお楽しみに。ちなみに生徒さん役の柳家右太楼さんは、残念ながら次回は欠席。でも、尾崎學先生も臨書してくださる予定です。
そのあとは例によって、清秘蔵、早川さんが硯のお話をしてくださいます。
こちらのコーナーも負けてはいませんぞ。ここは中国肇慶市にある羚羊峡。川をはさむ山並みに、硯を採掘するための坑が点在しています。今から14年前に行きました。案内してくれたのは早川さんです。
宋抗で、実際に石を採掘してくれました。ぎーこぎーこ。迫力あふれる動画です。