2014年3月 1日

鄭道昭と山東の磨崖

3映仏巖s.jpg
毎月第三木曜日と金曜日は、Ustreamでライブ中継をしています。


木曜日にお送りしてきた二つの番組は、3月をもって、しばらくの間お休みになります。

3月20日(木)午後6時からは大五郎先生の詩文書教室、毎回投稿作品の添削です。次回のテーマは山村暮鳥の詩の一節「とほく とほく 豆粒のやうなふるさとだのう」。どんな作品が集まるでしょう。

午後8時からは高橋蒼石の臨書教室。次回のテーマは「鄭道昭と山東の磨崖」です。

磨崖(まがい)というのは、磨かれた石にではなく、自然の岩に文字を彫ったもの。いわゆる「石碑」とはちょっと違う、スケールの大きいものです。紙が発明される前は「書丹」といって、石面に直接文字を書き、彫りました。青空のもと、自然の岩石相手に筆をふるうのは、さぞ気持ちがよかったことでしょう。
今から40年くらい前、これを「雄大な野外芸術である」とおっしゃったのは松井如流先生でした。なんてすばらしい表現だろう! そう思ったのは私だけではないはず。

その松井先生の高弟、尾崎學先生をゲストにお迎えしてお送りするのが、次回の番組です。
では、中国、山東省へ行ってみましょう♫

雲峰山遠景.JPG遠くに見えるのが雲峰山、生い茂った樹木の上に突き出た岩山です。中国の仙人はこんな山に棲んでいます。(どうしてこんなところが好きなのかな)

ていぎかひのコピー.jpgじゃーん。有名な「鄭羲下碑」はこんな風になっています。あの割れ目ぎりぎりのところに彫ってある「頌」が完璧な拓本が「頌字未損本」ですよー。

天柱山 近く.jpgこちらは天柱山。屋根が見えますね。あそこにあるのが

鄭羲上碑.jpg鄭羲上碑です。ちょっと傾いちゃってます。このあたり、地震が多いんです。こわ!

2徂徠山山頂.jpgここへいらした方は少ないんじゃないかしら。徂徠山です。これもへんな山ですね。てっぺんに見えるのが映仏巌。

3映仏巖.jpgこの岩です。下の方に「文殊般若経」が彫ってあります。北魏の後、北斉時代の書です。

文殊般若経.jpgこれです。「映仏巌 文殊般若経」。あれ? 見たことある! って思った方、あなたは偉い!

山東の磨崖 本s.jpgこの本「北朝の磨崖」に載っています。そしてこの本の編者は、高橋蒼石先生。(やっともどってきた)

というわけで、次回の「高橋蒼石の臨書教室」をお楽しみに。ちなみに生徒さん役の柳家右太楼さんは、残念ながら次回は欠席。でも、尾崎學先生も臨書してくださる予定です。

そのあとは例によって、清秘蔵、早川さんが硯のお話をしてくださいます。

001 羚羊峡.JPGこちらのコーナーも負けてはいませんぞ。ここは中国肇慶市にある羚羊峡。川をはさむ山並みに、硯を採掘するための坑が点在しています。今から14年前に行きました。案内してくれたのは早川さんです。

205 宋坑 採石.JPG宋抗で、実際に石を採掘してくれました。ぎーこぎーこ。迫力あふれる動画です。
というわけで、貴重な動画を交えて、楽しいトークを展開したいと思います。

お楽しみに。

3月20日午後6時から  大五郎先生の詩文書教室
3月20日午後8時から  高橋蒼石の臨書教室

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