三十帖策子 橘逸勢書 重版しました
天来は昭和12年、雑誌『書勢』に、この部分を掲載しています。
偶然三十帖策子の第二十九帖を開けてみると、半分過ぎ梵字であるが、その後半において、豪放不羈の書が眼に映った。こんなもののあろうはずはない。よく観ると頭にぴんと来たのが橘逸勢だ。見れば見るほど寸分の疑がない。たしかに橘逸勢の書に相違ない。
橘逸勢の書としては、伊都内親王願文が有名ですが、これはあくまでも推測の域をでません。だとすれば、三十帖策子に橘逸勢の書があることは、かなり古くから言い伝えられてきたのですから、天来の言ったこともありえる話です。
最初のページがこれ。右は第一版です。レタッチをやり直したので、かなり美しくなりました。