2014年2月 5日

三十帖策子 橘逸勢書 重版しました

橘逸勢 部分.jpg
三十帖策子の中の第二十九帖の一部が、橘逸勢の書であると言ったのは比田井天来でした。

(商品の紹介はこちら



天来は昭和12年、雑誌『書勢』に、この部分を掲載しています。

偶然三十帖策子の第二十九帖を開けてみると、半分過ぎ梵字であるが、その後半において、豪放不羈の書が眼に映った。こんなもののあろうはずはない。よく観ると頭にぴんと来たのが橘逸勢だ。見れば見るほど寸分の疑がない。たしかに橘逸勢の書に相違ない。

橘逸勢の書としては、伊都内親王願文が有名ですが、これはあくまでも推測の域をでません。だとすれば、三十帖策子に橘逸勢の書があることは、かなり古くから言い伝えられてきたのですから、天来の言ったこともありえる話です。

三十帖策子 統合.jpg最初のページがこれ。右は第一版です。レタッチをやり直したので、かなり美しくなりました。
去年の「比田井天来・小琴顕彰 佐久全国臨書展」の比田井和子賞は、この古典の臨書作品でした。でもそのときは、この本は品切れ中(汗)。ほかの出版社で発行していないし、これはいけない! というので重版したわけです。
受賞作品は、天来賞・小琴賞はこちら。一般賞はこちらです。

知られていない古典を紹介することは大切ですが、なかなかビジネスになりません。でも、がんばろう。

同じカテゴリの記事一覧