2011年3月23日

なぞに満ちた顔真卿の名品 東方朔画賛


貴.jpg
有名な安禄山の乱の前年に書かれた「東方朔画賛」。
古来、多くの名家に愛されてきましたが、偽刻説などもあり、だんだんかえりみられなくなりました。



唐顔.jpg
比田井天来は「この碑は非常に壊れているが、顔書中でも傑作に属するものだ」と言いました。

菘翁と天来.jpg
右が天来の臨書(天来習作帖)。
左は、川谷尚亭 が「千年の書の汚濁を洗い流すようだ」と絶賛した貫名菘翁の臨書です。

でも、世に出回っている印刷本の中には、とても質の悪い拓本があることも事実。どうやらにせものがあるらしいのです。
今回、知られざる名品シリーズでこれを発行するにあたり、編者、高澤大逸先生は中国のホンモノと思われる石碑を調査し、さらに今までの研究をふまえて、これこそ現在望みうる最高の拓本だという確信のもと、興味深い解説を書いてくださいました。

比較.jpg
左が今回紹介する宋拓、時代が下がるにつれて石面がいたみ、彫り直し、現在は右端のようになってしまいました。
この碑について、右法先生がブログで紹介してくださいました。ありがとうございます。

同じカテゴリの記事一覧