仙厓の話
比田井天来が発行した「実用書道」に掲載されたお話です。
幕府の末ごろ、九州に仙厓というすぐれた禅僧があった。
ある時、檀家である富豪が新築をして、その祝いの席に禅僧を招待して、新築の祝いに一句書いてくださいとたのんだ。
和尚はすぐ筆をとって
ぐるりっと家をとりまく貧乏神
と書いてしまった。これはどうしたことだと主人は不機嫌な顔をし、見ていた来客も、困ったことになったというふうに、お互いに顔を見合わせた。
すると和尚はカラカラと笑って
七福神は外へ出られず
とつけ足されたので、来客はみなホッとし、主人は幾度も頭をさげてお礼を述べた。
やりますなー。