比田井小葩 その2
小葩の作品は、ほかの方のものと全く違っていたので、展覧会場でとても目立っていました。
たとえば
おおぞらと びんびんと ひびいてゆこう
まんまるの無邪気な文字です。心地よいリズムです。
からたちの花がさいたよ しろいしろい花がさいたよ
幼い子どもが母親に報告していますよ。にじみを見ると、南谷が集めていた古墨を使ったような気がします。
そうかと思うと
かたい庭。実存的な風景です。
あ あめだな あめのこどもだな。
なんの作為も感じられない、あどけない「いろは」。余白が輝いています。
最後に、私が好きな作品。
猫はよじのぼった ジャム入れの てっぺんへ まず 右の前足から 要心ぶかく さて後足で降りて からっぽの植木鉢の穴へ入った
猫はよじのぼった ジャム入れの てっぺんへ まず 右の前足から 要心ぶかく さて後足で降りて からっぽの植木鉢の穴へ入った
この作品は、高校のときの恩師に差し上げました。恩師は逝去されましたが、今も大切に飾ってくださっています。
小葩の遺骨は分骨して、実家である山枡家の墓に入れました。山枡家は内村鑑三を敬愛する敬虔なクリスチャンでした。義人は信仰によりて生くべし。ロマ書です。上田桑鳩先生の文字は暖かいですね。
小葩が他界したのは58歳のときです。今の私と同じ年・・・。
小葩の遺骨は分骨して、実家である山枡家の墓に入れました。山枡家は内村鑑三を敬愛する敬虔なクリスチャンでした。義人は信仰によりて生くべし。ロマ書です。上田桑鳩先生の文字は暖かいですね。
小葩が他界したのは58歳のときです。今の私と同じ年・・・。