2009年1月16日

芥川龍之介→良寛→白隠

良寛 君看s.jpg
芥川龍之介が好み、小説にも登場する詩があります。






君看双眼色 不語似無憂
君みよ双眼(そうがん)の色  語らざるは憂いなきに似たり
多くを語らないからといって、あなたは私の両目に宿っている深い憂いの色を感じないのだろうか。

この詩は、良寛も好み、作品に残しています。

良寛 君看.jpg良寛も最初ではありません。白隠が『槐安国語』に書いた詩の一部なのです。ただ、白隠の場合は「憂」ではなく「愁」という字を使っています。良寛が書にするときに、「憂」字に変更して、芥川竜之介もこちらを採用したのです。

ほかにも日本の名僧のことばの中に、作品にしたいものがたくさんあるんですよ。勝手に選んで紹介します。

一字、二字句
観(眼前のありのままの真実のすがたを、心静かに見つめること。)[最澄]
妙(凡夫の思考では及ばない、すぐれた不可思議なるものを意味する語。)[最澄]
悠(はるかにして極めがたいこと。)[空海]
真如(仏の悟り。真理のこと。)[法然]
宝処(宝のあり処。涅槃に喩えられる。)[法華経]
杳杳(ようよう)(きわめて奥深く遠くかすかであること。)[空海]

天上大風.jpgこれは有名ですね。良寛が書いた凧。
天上大風(てんじょうおおかぜ)
(大空に吹きわたる豊かな風のように、仏の慈悲は豊かで満ち満ちている。)[良寛]

ほかにもこんなことばがあります。

七福を一福にして大福茶(七福神すべて束ねて一福として、さて、大福茶一服)[仙厓]
心をほろぼして心をそだてよ(妄念をほろぼして、本分の心を育てよ。)[鈴木正三]
水の面にあや織りみだる春の雨[良寛]
かぶ菜と坐禅坊主はすわるをよしとす[仙厓]
我有りと思ふ心を捨てよただ 身のうき雲の風にまかせて[一休]

以上、新刊『日本仏教名言集』のご紹介でした♪

明日は弘前へ行きます。北門書道会の新年会があるのです。5時から始まる新年会の前に、少し時間がとれそうなので、ホテルに設備があったらブログが書けるかもしれません。
雪景色が楽しみなような、こわいような・・・・・。

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