2008年5月31日

栄豊齋へ行こう

それはおとといのこと、遠藤彊先生と出版契約の相談をしに、先生がお教室をもっている栄豊齋へ行きました。

看板と内部.jpg

地下鉄丸の内線淡路町駅を出て、淡路町交差点へ行くと、白に筆書きの目立つ看板があります。それが、新しい場所に移転した栄豊齋。店内もとても明るくてきれいです。

筆と書籍.jpg

筆がたくさんあります。初心者の方は、どんな筆がいいのか、お店の人に相談してみましょう。親切に相談にのってくれますよ。

右は書籍のコーナー。遠藤先生の書籍『篆刻入門・実例500』と、DVD『篆刻入門』は・・・・・・・・ない。あーん、どうして置いてくれないの? 社長はどこじゃ。

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あ、ここにいらっしゃったのですか。格調の高い調度品に囲まれて、幸せそうなのはいいんですけど、遠藤先生の新刊がないんです。置いてくれませんか?

で、交渉成立。折帖三種(呉譲之臨天発神讖碑趙之謙臨エキ山刻石呉昌碩臨石鼓文・散氏盤銘)も買ってくださることになりました。ばんざーい。

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倉庫も見せていただきました。紙がたくさん、整然と整理されていました。

誰でも読める本.JPG

 

 

奥まったところにソファーが置いてありました。

このコーナーにある本は、誰でも読んでいいんですって。

今ではなかなか手に入らない貴重な本もありました。

 

こういう書道用品店って、書道の専門家でないと敷居が高く、入りにくい気がしますけれど、そんなことはありません。

近くを通ったら、のぞいてみてはいかがですか?

 

 

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2008年5月30日

中林梧竹の書 80歳以降に注目!

中林梧竹というと、みなさんはどんな書を思い浮かべますか? 昨年、日野俊顕先生の『中林梧竹の書』を発行するまで、六朝書道が中心なんだと思っていました。あるいは、風変わりな金文の臨書も目立ちますね。

でも、本の中にもっとすばらしい作品があるし、五島美術館の展覧会を見て、晩年の書はすごいなーと思うようになりました。そして、今回新潟の梧竹展を見、日野先生のお話を聞いて、その確信を強めたのです。

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これは梧竹57歳のとき、北京留学中に書いた小品です。いわゆる「六朝書道」といわれるものだと思います。この頃の梧竹は中国の書に夢中だったそうですが、そういわれてみるとこの作品、鄭板橋や何紹基たちの書と共通点がありますね。

「王羲之を模す」とありますが、この時期の臨書はどうだったのでしょう。

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ちょっと後になりますが、65歳のときの十七帖の臨書です。いかにも梧竹という感じの、個性的な臨書です。

でもね、80歳を過ぎるとぜんぜん変わってしまうんですよ。

 
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85歳の時の、王羲之「朱処仁帖」の臨書です。美しいですね。20年前の臨書はちょっと不自然で「見せる」意識が強く感じられるのに対して、これはなんて自然なんでしょう。これこそが、梧竹の本当のすごさなんだと思います。

 
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今回の展示の中に、87歳の作品がありました。ライティングができなかったので画質が悪いのですが、それでも作品の価値はわかると思います。右に左に傾き、自由自在な表情にあふれた最晩年の作品。みとれてしまいます。

金文の臨書も、60歳と80歳はまったく違っています。梧竹は拓本ではなく、石印本を見て臨書しているのでちょっと違和感があるのですが、80歳を過ぎると、独特の風格が出るのです。

 
020得鼎.jpg

すごいですね、このどっしりとした力強い明るさ。

そもそも、六朝書道っておかしな言い方ですよね。この言い方が梧竹の評価を誤解させているような気がします。

来年2月、徳島県立文学書道館で、私が講演をさせていただくことになりました。今までの偏見を払拭するお話をしたいと思います(ほんとかな)ので、ぜひ聞きにきてくださいね。

 

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2008年5月27日

新潟の梧竹展 イントロ2

イントロ続きでなかなか本題に入りませんが、日野先生とお話しながら、私の梧竹論ができつつあるので、しばしお待ちを。

今日は、二日目のオプション、見学会のご報告です。

二日目は、ギャラリートークから始まりました。今朝からは大津童州、梶田越舟先生も加わり、さらに充実。

A01 朝の記念写真.jpg

どうして大津先生だけ横を向いているんだろー。

この後、お昼ご飯でビールをしこたま飲んで、その後向かったのは五合庵。良寛さまの住んだ庵です。

A02 五合庵.jpg

しかし、豪雪の中、ここに住むのはいくらなんでも無理ですよね。このそばのお寺だという説もあるそうです。

霧が出ています。

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なんだか神秘的ですね。休憩中はおでんとビール!

ここから分水町に向かいます。比田井天来が書いた「信濃川治水紀功碑」を見学します。7メートルの巨碑ですよ。

A05 川と石碑.jpg

今、分水の川幅は信濃川の5倍もあるんですって。碑は、雄大な分水を見守るように建っています。この治水工事は本当に困難を極めたそうです。新しい資料館ができていて、洪水の恐ろしさや工事の規模の大きさなどを見ることができます。とても感動的でした。

A04 信濃川碑.jpg

それにしても石の高さ7メートル、文字の部分は4メートルという石碑は、そうはありません。大工事にかけた人々の情熱の現れですね。

建碑は大正13年。天来一家は関東大震災で家が倒壊し、上田に疎開中でした。不自由な中で、これだけの文字を書き上げるってすごいことだと思います。

その後は、梨本尚山先生のお宅におじゃまして、ここでも梧竹作品をたくさん拝見しました。

帰りの新幹線は、みんな席がばらばらだったのですが、榎本先生ががんばって一号車の二階に6人の席を確保。溝川先生ががんばって駅弁をゲット(燕三条駅のはすべて売り切れでした)。ビールをいっぱい飲んで、楽しいひと時を過ごしたのでした。

 

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2008年5月26日

新潟梧竹展 イントロ

5月24日と25日、新潟岩室温泉で開催中の梧竹展へ行ってきました。なんだか知りませんが、いろいろたいへん。最初がすごかった!

東京駅で「和子さ~ん」と呼ぶ声が。あ、榎本珠麗先生だ。お隣には溝川半遊先生。隣の車両には日野先生ご一行もいらっしゃるとのこと。各自で切符を買ったので、私は一人で乗り込みました。ちょうどいいから、パソコンを整えよう。と思い、しばし没頭。お弁当を食べたら燕三条駅。次の新潟で降りるから、みんなのところへ行ってみましたが、誰もいない。へんだなーと思いつつ、席へもどると、溝川先生からの電話が鳴りました。

「今どこですか?」「座席です」「えーっ、燕三条ですってば」「えーっ、新潟駅じゃないの?」「だから燕三条駅ですってば」

あーらら、乗り過ごしちゃいました。

で、私は単身、新潟から越後線で岩室へ旅立つことに。

001 列車など.jpg

電車はワンマンカー。町を抜けると、のどかな田園風景が広がります。ちょうど田植えが終わった時期だったので、整然と苗がならぶ田んぼがとてもきれいでした。降りる駅を間違えたの、よかったかも。なんだか得した気分です。

30分ほどで岩室に到着。二年ほど前から無人駅なのだそうです。みんな、車で来ちゃうんですね。でも、列車もいいですよ。

タクシーを呼んでもらって、岩室温泉の老舗旅館「綿綿亭」へ。

002 綿屋.jpg

とてもすてきな旅館でした。建物もお庭もお部屋もよかったのですが、なんといっても従業員の方々の気遣いがすばらしいのです。だって

 

通された部屋には、なんと、天来の軸がかけてあったのです!

天来 比田井.jpg

003 天来作品.jpg
こんなことは初めてです!!! 専務の石崎純子さんがかけてくださった模様。あったかーい気持ちでいっぱいになりました。社長の石崎健さんともお話しましたが、今回のイベントではほとんどつききりでお世話してくださいました。本当にありがとうございました。

今回の梧竹作品について、それから日野先生の講演については、また別の日にご紹介することにして、何はともあれ宴会です。(いつもこれだ)

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宴会場の壁には梧竹作品がずらり。心も豊かにお酒を飲んだのでした。

まともなうちに記念写真を撮ってよかった・・・。

 

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2008年5月23日

新潟の梧竹展へ行きます

新潟の岩室温泉綿綿亭で、今日から中林梧竹展が開催されています。明日の日野俊顕先生の講演会とあわせて、梧竹の会がツアーを組んでくれたので、私も参加することにしました。楽しみです。

そのためというわけではないのですが、軽~いノートパソコンを購入しました。動画撮影のときのモニタに使うために、小郷カメラマンがオークションで買ってくれたのです。周辺機材合わせて10万円をきっています。オークションの達人だ。

上から.JPG

左のDVDと比べてください。小さいでしょう。でもれっきとしたバイオです。右端は250ギガのハードディスク。そして

横から.JPG

すばらしいのはこの「薄さ」。重量は880グラム。なーんと1㎏をきっているんです。

パソコン起動中.jpg

内容は重いパソコンにひけをとりません。ネットはもちろん、フォトショップやイラストレータも使えます。動画だってすいすいです。なにより軽い!!!

小郷カメラマンが内容を整えてくれて、先ほど届きました。

梧竹展や懇親会、講演の様子を、リアルタイムでブログにかけるぞー。

念のために旅館に電話。そうしたら、な、なんと部屋にもロビーにも展示スペースにも、インターネット用のモジュラージャックがない(汗)。そばの知り合いの旅館に電話したみたら、そこにもない。西蒲原区には無線ラン用のホットスポットもない。

というわけで、ネットのことは忘れて楽しんできまーす。

 

ちなみに天来書院は、常時3名なのに、パソコンは9台という、パソコン好きの会社です。

 

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2008年5月20日

おいしいおしたしが食べたいの巻

今日は、隊長が、おしたしをおいしくする秘密を教えちゃいますよ。よーく見てくださいね。( )内は私のつぶやきです。

まずは完成品から 

おしたし完成品.jpg
おしたしって、みんなどうやってるのかなぁ。

青菜をゆでて、おしょう油さっとかけて、キュッとしぼってお皿に盛って、おしょう油とオカカかけて食べるのかな?(そんなもんです)

いいこと教えましょう。(えーっ、なんだろ)

あ、その前に、おだしってどう取ってます?

まず一番ダシは、水にコブ入れて、しばらく置いてから、ゆっくり火にかけて、ふっとう前にコプを取り出して、少しグラグラさせてから、カツオブシを入れて、火を止めて、40秒待って、そっとコシて出来上がり。カツオブシは、しぼっちゃダメですよ。(あらら~、ちょっと違う、しぼってたし)

ここまではみんな知ってますね。(ふむふむ)

その次、二番ダシは、そのカツオブシとコブを水からわかして出来上がり、と思ってませんか?(思ってます)

おいしく作るには、そのカツオブシとコブとさらに同量のカツオブシとコブを足してわかします。(えーっ?)

ふっとうしたら火を弱くして、そのまま10分以上、おだしが透き通ってくるまで、コトコト煮るんです。アクはちゃんと取ってくださいね。この透き通ってくるのは、タイの潮汁を作ったりするときも、目印になります。鳥とか肉とかを汁で煮るときも同じね。それをこすと、おいしい二番ダシの出来上がり。おいしいよ~。(おいしそー)

この二番ダシに、酒、塩で、お吸い物より濃い目の汁を作って、ゆでた青菜をつけ込んで、冷蔵庫で保存します。(まだあるのか・・・)

食べる時は、軽くしぼって、二番ダシとしょう油でかけ汁を作ってかけてから、おかかをのせて出来上がり。やってみてね。(はーい)

 

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1.コブを水に2時間つけます。 2.沸騰前にコブを出して、そのまま1分くらい沸騰させます。

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3.カツオブシを入れたら火を止めて40秒待ちます。 4.こす前の色がついてきたところです。

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5.一番ダシの色です。少し緑がかったきれいな色です。(ほんとにきれい、うっとり)

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6.取ったコブとカツオブシとさらに同量のコブをカツオブシ入れます。 7.水を入れてこのまま火にかけます。

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8.コトコト10分以上30分煮ます。アクは必ずとってください。 9.ダシが透き通っておいしそうになってきました。

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10.二番ダシの色です。黄味が強くなりました。

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11.塩と酒だけで二番ダシのつけ汁につけます。 12.しょう油と二番ダシでかけ汁を作ります。

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13.おいしくできました。(ほんとだー)

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14.庭のサヤエンドウなんかでもおいしいよ。(庭にサヤエンドウがある家は少ない)

 

(そーか、こんなに手をかけてるから、隊長のお料理はおいしいんだな。次は動画で実演映像を載せよう)

 

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2008年5月18日

北畑観瀾先生個展

北畑観瀾先生は、今99歳、比田井天来から直接指導を受けた貴重な方です。大崎のO美術館で個展を開催中なので、昨日うかがいました。

記念写真.jpg

お元気です! 左は掲示板に書き込んでくれた濱島さん。 

大切なのは姿勢よ。しっかり足を踏まえて、いい姿勢でないといい書は書けません。そして、紙面全体の構成です。

すごいですね。書に対する気迫を感じました。

 
日2.jpg

「日」 美しいですねー。字を右に寄せ、さらに右下に押された印。構成の妙を感じます。

 

得.jpg

「得」 堂々としていて自然です。理知の冴えを感じます。

 

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「秘」 楽しい作品ですね。子供のように無邪気な心。

 

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「霧暁飛瀑」 濃墨の作品。このことばは、先生の造語ですって。華厳の滝を見て、その感動を書にしたそうです。

 

貼りまぜ.jpg

こんな楽しい貼り混ぜ屏風もありました。すべて「雨冠」の字。草稿かもしれません。活き活きとした姿が印象的です。

 

濱島さん作品.jpg

最後に、濱島さんの作品をご紹介しちゃいます。先生より小さくしました。先生の作品は作品集からとったのでモノクロでした(ごめんなさい)。つまり、作品集があるからいいかなと思って、会場で撮らなかったのです(汗)。写真を送ってくださったら、カラーに変えます。

右の「憤」は、中国のぎょうざ事件を知った直後に書いたそうです。怒ってるなー。

左の「集」は楽しい作品です。フルトリが三つ、下の「木」で絶妙なバランスをとりました。今の書作家は、筆の穂先が割れると割れるにまかせて書きますが、濱島さんは割れをコントロールするんです。達人だ。小さいときから北畑先生の厳しい指導下にあった濱島さん。今後が楽しみです。

展覧会は21日まで。詳細は掲示板をご覧下さい。

 

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2008年5月16日

詩文書作品と詩人の著作権(追記あり2016年8月8日)

現代のことばを書く漢字かな交じりの書-詩文書が人気です。
この分野で大きな問題になるのは、文学者の著作権。
去年発行した『響きあう俳句と書』では、日本文芸家協会に申し出て、決められた金額をお支払いしました。でもお一人だけ、ご遺族が許可してくださらない俳人がいらっしゃいました。「書にして欲しくない」と言われるのです。そういうこともあるのでしょうね。
親しくしていただいている「日本詩文書作家協会」では、文学者との交流を深めるために、いろんな企画をしています。でも、苦労もあるみたい。
熱海研究会で、船本芳雲先生が、興味深いエピソードを聞かせて下さいました。

るるるの話.mp4

新刊の『愛のフランス詩集』で、著者の吉田加南子先生がこんなことを書いていらっしゃいます。

書家の方たちに、日本のものばかりではなく、こうした外国の詩の言葉も書いて頂けたら、という願いから、このアンソロジーは生まれました。書作品として書いて頂くことによって、詩に新しい息吹が与えられ、共に言葉や文字によっている詩と書という二つの世界が、互いに広がりと深さを増すことができるなら、これほどうれしいことはありません。
原詩の著作権についての問題は、本書では発生しません。詩の全篇でも、また一行二行でも、何かを感じて書作品として取り上げて下されば、訳者の喜び、これにまさるものはありません。機会があれば、そのお作を拝見したいものです。よろしければ作品のお写真を、天来書院宛に送ってくださいますよう。

みなさま、ぜひぜひフランス詩を作品にして、写真を送って下さい。このブログでご紹介します。

ちなみに、天来書院発行の墨場必携類はすべて著作権フリーです。ご活用ください。

2014年1月発行の「みやが選ぶ小さな詩集」の中に、著作権が終了していないことばがあります。申し訳ありませんが、ネットなどで没年を調べてくださるよう、お願い申し上げます。(2016年8月8日・追記)

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2008年5月14日

隊長の「ほら、おいしい」

しばらく体調の悪かった隊長ですが、少しずつ回復してまいりました。そろそろ探検を再開できるかも。

というわけで、今日はおうち探検隊。ふつうの素材を使ってひと工夫。おいしいお料理ができましたよ。

作ったのは隊長、まゆみ隊員がお手伝い、そーせき顧問と私は食べて飲むだけ。極楽極楽。

料理1.jpg

上はレバーですが、これは買ってきたものなので省略。やわらかくておいしかったです(省略してない)。

谷中しょうがは夕べから甘酢漬けにしたものです。甘酢といってもほとんど甘くなくて絶品でした。「最初に塩漬けしたの?」と聞いたら、甘酢を煮立ててつけるんですって。「あたりまえだよね?」との問いに、全員「知らな~い」

お酒は、まずは養心王でしょっ。

おあげなど.jpg

平貝のお刺身っておいしいですよね。でも加熱のしかた次第で、お刺身よりおいしくなるんだそうです。ふーん。ほんとだっ。火の通し加減が絶妙だ。庭からつんできたさんしょの香りがたまらない。

にんじんの葉っぱのきんぴらって初めてですが、葉っぱの歯ごたえと甘辛味がマッチしてます。

おあげは京都で買ってきたもの。隊長の「花灯路と美食の旅」にあったあれかな。なすは一度揚げてあります。とろーりとして、うーん、美味。

特製かえし・・・・・。なめろってか? 

ある居酒屋さんのお話。お金のない人が、小皿にしょうゆ(無料)をいれ、楊枝をポキンと折って、折ったところにしょうゆをつけておつまみにするそうです。塩より香りがあっていいか。そういえば、炊き立てのごはんにしょうゆをちょっとかけて、おつまみにしたり・・・するかなー。

お酒はすでに白ワイン。

料理4.jpg

油揚げは、焼いて、しょうゆをかけてから鰹節をかけるべし。んー、確かに確かに。

えびは殻ごとボイルしてあります。みそが入ったいいえびでした。

06きびもち赤だし.JPG

ここで出てきたのは、アワもちが入った赤だしです。アワもちは揚げてあるので、さくっとした皮の中にとろーりととけたおもちが感動的。赤だしとの組み合わせも最高。京都へ行った価値ありのお料理です。

料理ポークソテー.jpg

お酒はいつしか赤ワイン。

ポークソテーバジル風味特製さくらんぼソース添え。やわらか~いお肉がいい感じ。ちょうど「ホースラディッシュマスタード」というわけのわからないものを買っていったら、ちょっと甘いソースとのバランスが抜群でした。

 

養心王2本と白ワイン1本、赤ワイン2本は覚えているけど、そんなもんじゃなかっただろーなー。(隊長の指摘がこわい)

おっ、隊長からメールが。赤ワインは4本でした・・・・・。 

 

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2008年5月12日

雲峰山へ行こう

久々に中国旅行のお話です。今日は山東省の雲峰山へ行きますよ。
雲峰山遠景.JPGのどかな道を走っていくと、見えてきました。緑の上にそびえる岩山が雲峰山です。
雲峰山を見上げるのコピー.jpg本当に不思議な山ですね。仙人が棲む山。そして、簡単に言いますけれど、登るのはとってもたいへんです。
ていどうしょうなど.jpg
最初はなだらかな道を歩いていくと、鄭道昭さんがお出迎え。建物に入っていくと
ていぎかひのコピー.jpg有名な鄭羲下碑があります。前に行った天柱山には、鄭羲上碑がありましたね。もう少し登ると
論経書詩.JPG大きな論経書詩があります。地震があったので、少し傾いています。
問題はこの後です。
とげのある雑草が生い茂る森を登っていくと、がーん、目の前に聳える岩盤。まさにロッククライミングです。足を踏み外すとそのままおっこっちゃうのです。かといって引き返すわけにもいかない。もーだめだと、何度思ったことでしょう。
山頂から.jpgやったー。
頂上に来ました。すばらしい眺めです。涼しい風が心地よい♪
この山頂には、仙人のことを記した刻石があります。蓬萊山に棲む安期子、太室山に棲む王子晋、菎崙山に棲む羨門子たちが空を飛び、ここに集まったんです。なんとも雄大な光景ではありませんか。
安期子題字.jpgテキストシリーズ『鄭道昭題字小品』から「安期子題字」をご紹介します。安期子龍に駕し蓬萊の山に栖す。


で、当然おりなくちゃならない。こっちも恐いけど、なんとか下山しました。

そして、夜はやっぱり大宴会。お料理もお酒も最高でした。(この頃は料理の写真を撮らなかった)


今までの中国旅行  泰山金剛経  天柱山の鄭羲上碑  徂徠山   天来書院トップ

"雲峰山へ行こう" つづく

2008年5月11日

母の日

今日は母の日でしたね。

私の母親は、もう35年ほど前に他界しました(もうすぐ私もその年)。

母の日のプレゼントはいろいろしたと思いますが、今思い出すのは小学生のころ。ハンカチをプレゼントしたんです。青い花の刺繍のついたハンカチです。

で、あるとき、そのハンカチを使ってくれているのを発見! 妙にうれしかったのを覚えています。

母親が自分を愛していることはわかっていても、なんだか自信がないんですね。

私はやっぱり性善説かな。

2008年5月10日

雨ですね。傘をさしていると、ものを出したりしにくいし、不便この上ありません。駅構内などで傘を振り回して歩く人がいると、ちゃんばらしなくちゃいけないし・・・。

文明は進化したのに、どうして傘は進化しないのだろう。

雨が降ってきたら、洋服ごとシュリンクしちゃうとか、なんとかできないものだろうか。

 

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2008年5月 9日

羊毛筆のおろしかたと、今日の「フランス詩を書く展」

それでは、昨日の続き「羊毛筆のおろしかた」の動画をご紹介しましょう。ご出演くださっているのは、柳璧蘚先生です。
昨日のブログをご覧になっていらっしゃらない方は、「剛毛筆のおろしかた」もあわせてどうぞ。

羊毛筆をおろす.mp4


西荻窪のギャラリー数寄和で開催中の「フランス詩を書く」展は、おかげさまで大盛況だそうです。会場風景を送ってくれたので、これもご覧にいれましょう。
室内風景.jpg
会場では書籍「愛のフランス詩集」や、吉田加南子先生の詩集などを販売しています。週末になくなりそうなので、本日追加を送りました。
明日はお天気があまりよくないみたいですが、そんな日こそ作品鑑賞はいかがでしょう。

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2008年5月 8日

剛毛筆のおろしかた

検索エンジンから天来書院ホームページに来て下さった方の検索語の中に「筆のおろしかた」があります。
前に、「筆は根元までおろすの?」というテーマもありましたから、今日は剛毛筆のおろしかたをご紹介しましょう。
筆を洗わないで、いきなり墨をつける方はいませんか? それはちょっとNGです。
洗う前と後.jpg左は洗う前、ふのりがたくさんついていますね。これを洗うと右のようにきれいになります。
次は洗い方。通常剛毛筆は、穂先の半分くらいしかおろしません。
引用したのはDVD「筆墨硯紙のすべて1.筆を極める」、説明をしてくださっているのは、高橋蒼石先生です。

剛毛筆をおろす.mp4
あっ、最後に次の柳先生がはいっちゃった。では明日、柳先生の「羊毛筆のおろしかた」をご紹介することにしましょう。

動画を見ることができない方は、下をクリックしてみてくださいね。
QuickTime

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2008年5月 7日

北海道大学の天来書碑

クラーク像.jpg

広大なキャンパスをもつ北海道大学。

でも、クラーク像なら誰でもわかりますね。というか、誰かに聞けばすぐ教えてくれます。

この像のそばに、比田井天来が書いた碑があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天来碑全体.jpg

昭和11年秋の北海道大演習のとき、北大に大本営が設けられ、研究活動を天覧賜ったときの「聖蹟記念碑」です。天来が書き、昭和12年に建立されました。皇室に関係する碑なので碑文に天来の名前はありませんが、大学の記録にあるそうです。

碑面がよく見えませんね。写真が小さいからだけではなくて、石の模様が邪魔して、よく見えないんです。

 

碑面アップ.jpg斜めからだと見えます。『比田井天来の書碑』の中で、淺沼一道先生が「静穆上品な文字」と書かれていますが、ぴったりの表現だと思います。

 

ビール.jpgそれにしても札幌はビールがおいしい♪

お魚もおいしい♪

 

さわやかな、いい季節でした。

 

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"北海道大学の天来書碑" つづく

2008年5月 6日

特別展 フランス詩を書く

昨日から、西荻窪のギャラリー「数寄和」で、「フランス詩を書く」展が始まりました。

玄関と室内.jpg

作品は見ていたのですが、表具ができてびっくり。一点一点に個性的なデザインがほどこされていて、とっても素敵になりました。さすが表具コーディネーターの岸田さん! 「この表具をしていただけるんですか? おいくらですか?」と聞くお客様がたくさんいらっしゃいました。

作品をご紹介しましょうね。

作品1.jpg

左は中野北溟先生の作品。細長い作品をさらに細長くした表具にびっくりでした。

中央は竹内幸先生です。夢見よう、今はその時。朱色に濃いえんじ色の線がおしゃれですよね。

右は内山玲子先生。ヴェルレーヌの詩が、美しい仮名作品になったのですよ!

作品2.jpg

左は太田義久先生。凝ったデザインですね。抜群の存在感が出ました。

真ん中は飯高和子先生。紺紙に銀泥で書かれています。きれいでしょ。

右は鈴木まつ子先生です。作品の上に二つ、下に一つ置かれた小さな布切れが、なんともおしゃれ。

紙の販売s.jpg

珍しい紙も販売されています。右は福建省の古とう紙で、戦前のものだそうです。4メートルで4000円。その左もすべてこだわりの紙です。「あんまり出したくないんですけど」とは、岸田さんのことばです。

「どうしてフランスと書なの? と思いましたけど、すばらしいです。こういう展覧会って初めてですよね」と、何人もの方に言われました。そーだなー。

5月19日までです。ぜひぜにお運び下さい。

 

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2008年5月 4日

中野北溟先生 ホテルライフォート札幌

今日は、同じ札幌のホテル「ホテルライフォート札幌」にある、中野北溟先生の作品をご紹介しましょう。

瞳の海s.jpg

3Fにある、71畳の和室宴会場「あおぎ」では、大作「瞳の波」が壁にはめこまれています。

瞳の波 瞳の海 瞳の空 瞳の夕焼け 瞳の光  淡墨で書かれた壮大な作品です。

「これ、近代美術館に借りられないなかあ?」と中野先生。「壁にはめこんであるのでだめです」とホテルの方。やるなー。

 

玄中玄s.jpg
「玄中玄」は、結婚式場へ入る右側の壁にかけてあります(記憶が正しければ)。漢字作品も表情がすばらしいですね。

最後に、先生が27歳のとき、最初に東京の展覧会へ出品したときの作品です。日本書道美術院展です。びっくりしますよぉ。

 

思想帖s.jpg
私の大好きな、王羲之「思想帖」の臨書。初出品だというのにみじんの気負いもなく、自然でありながら、細部にいたるまで王羲之の表情をとらえています。このみずみずしさったら! すごすぎますよね。東京の書壇の方々を驚かせた話題の作品です。

ちなみに「北溟」という雅号は、この少し前に、金子鴎亭先生に半紙臨書を送ったら、鴎亭先生が即座につけてくださったものだとか。

で、私は何をしているのかって? ひ・み・つ。

 

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2008年5月 3日

中野北溟先生 JRタワーホテル日航札幌

JR札幌駅と直結するJRタワーホテル日航札幌。35階のスカイレストラン「丹頂」に、中野北溟先生の作品が飾ってあるのをご存知ですか?

中でも、床の間に「円」という小品がかけてある個室(6名)が大好きになりました。人気があって、なかなか予約がとれないそうです。

円 個室s.jpg

窓からの光景も最高です。

円の個室からの風景s.jpg

中央から左側に、北海道大学の広大なキャンパスが見えます。

左の山に陽が沈みます。この日のように雲が多くなければ、きれいな夕焼けが見えるでしょう。うーん、残念。

そして、婚礼関係のお集まりのときには

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「愛」が床の間にかけられるそうです。こんなに暖かい「愛」に見守られての結納って、幸せいっぱいでしょうね。

 

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