2008年3月31日

今をえがく書 かながわ

3月30日、毎日書道展第60回記念「今をえがく書 かながわ」に行ってきました。

なんとなく親しみのある作品が並ぶ中、意欲的な作品や緊張感に満ちた作品もあり、見ごたえ十分でした。

夜は崎陽軒で祝賀会。最初に席上揮毫がありました。舞台ではなかったので、後ろのほうの方は見えにくかったと聞きましたので、ここでご披露しましょうね。

踊りながら書くのはもったいないガールズ。メンバーは、日守菜穂子先生、栃木郁子先生、古屋恵美子先生、竹内めぐみ先生の4名です。

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さー、始まりました。楽しそうに踊りながら書いていきます。なんという字を書くのかな? みんな興味しんしん。

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軽快な音楽にのって、リズミカルな筆運びはさすがです。今は字を書くだけではなくて、踊れなくてはいけないんですねー。

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だんだん字が見えてきました。席上揮毫というより、楽しいショーを見ているみたいです。

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完成!!! 「書」だ。みんな満足そうですね。

次は、今回初登場のマイマイボーイズ。お名前を聞き逃してしまった(汗)。

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緑色の墨(絵の具かな)です。初めてなのでちょっと緊張ぎみ。

 
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なかなかよいチームワーク。呼吸もぴったりです。

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でも、なんて書いてあるのかわからない・・・・・。

 

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2008年3月30日

元気ですよー

三日間もブログを書かなかったので、病気だろうかとご心配のみなさま(そんな人いないか・・・)、私は元気ですっ!

先週の隊長の京都探検の報告(隊長のブログデビュー♪)、27日28日の、日本詩文書作家協会熱海研究会秘話、それから夕べのお花見放浪隊(料理がすごい)、DVDのその後(しつこい)などなど、ネタはたくさんあるのですが、時間がない。つまり、飲み始めたら止まらない。すなわち、ずーっと飲んでいたわけです。

今日はこれから、横浜そごう美術館で開催中の「今をえがく書かながわ」へ行って、崎陽軒で祝賀会があるので、誰かにつかまって(つかまえて)、また飲むんだと思う・・・・・。あっ、川村隊員がいるはずだ・・・・・・・・・。

2008年3月26日

明日は熱海

明日は、日本詩文書作家協会研究会のビデオ撮影をします。朝6時出発。

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去年、二日目のお昼を食べたのは「mon」というイタリアレストラン。前日はおすしでしたが、写真がない。疲れてましたからね。でイタリアンのほうは写真がありました。

サラダなど.jpg右上のかきのパン粉焼きはとっても美味しかったので、ワインを飲んでしまいました。

明日の夜はお寿司だなー。

 

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2008年3月25日

ナレーターは日守菜穂子先生

今日は朝9時からスタジオ入り。ナレーションの録音をしました。

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スタジオは人形町のスタジオ・グラッド。オペレーションをしてくれた岩倉さんは、とってもやさしいおじさまです。というのは、オペレーターの中には、こちらがちょっと間違えたりやり直しを要求したりすると、むっとする人が多いのです。

 
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ナレーターは書燈社の日守菜穂子先生。先生は実はプロのアナウンサーだったのです。読み間違いもほとんどなく、感情の込め方もすばらしく、びっくり(ごめんなさい)しました。そして、今までは、ナレーターに書道用語のイントネーションを教えるのにたいへんだったのですが、そこは日守先生、完璧でした。スタジオを4時間予約したのですが、45分(!)で終わってしまいました。

そして、私は会社に帰り、ひたすらパソコン作業をして、たった今、終わりました。現在は小郷さんが音楽をはりつけています。

動画編集って、ものすごい集中力を必要とするんです。頭がしびれている・・・。

 

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2008年3月24日

刀法は伝え難し

今日は雨ですね。お昼頃、小郷カメラマン到着。DVD製作も佳境に入りました。明日はナレーションの録音です。

DVDの中で「刀法伝え難し」というお話があります。

 

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確かに、押してある印を見るだけでは、それがどんな印刀で、どのような角度で彫られたのかわかりません。ところが、これがわかる方法があるのです。それは、印面の拡大写真。

呉昌碩印面.jpg

うーん、確かによくわかりそう(私は篆刻をやらないから、こうしかいえない)。

よいものをたくさん見て、目を養うことが大切だといわれますが、まさにこんな写真を撮るのは、名品を所蔵してこそ可能なのですね。

 

さて、ここでお知らせです。今週の土曜日、お花見放浪隊を決行することになりました。お楽しみに。

 

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はじめての篆刻入門DVD    一つで十の面をもつすごい印   篆刻DVD完成近し

 

2008年3月23日

横浜 元町 散歩

全国の居酒屋探検隊ファンのみなさま、ごめんなさい。今週は探検はお休みです。(隊長は京都に行っちゃうし・・・)。

DVD篆刻入門は問題もなくOK(テロップの間違いがあったけど)。久々の休日というわけです。

髪の毛が伸び放題なので、カットをしようと美容院に行きました。その美容院は横浜元町の実家のすぐそばにあります。

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というので、やってきました、みなとみらい線の元町中華街駅。ここから歩いて5分もかかりません。

真ん中は昔からある交番。でもおまわりさんはいたためしがありません。そして元町商店街。今日は歩行者天国です。

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これが美容院、ビューティー・バランスさん。私の髪型のデザイナーである沢飯先生は、はっきり言って酒飲みです(私に言われたくないってか?) でも、結婚する前からここへ行っているわけだから、たいしたもんだ。その間、私の髪は、おかっぱからパーマセット、パーマかけっぱなしの「鳥の巣」、そして現在のショートと、変遷を重ねました。

それじゃー、元町で私が行くお店を紹介しましょうか。

B01なかや きくや フクゾー.jpg

どうしても人が写っちゃうんです。無理やり登場しちゃったみなさん、ごめんなさい。

今回は、私が子供の頃からあるお店に限ります。つまり、50年前からあるお店のみ。

左はなかやさん。今でこそ、輸入の食料品を売っているお店はたくさんありますが、当時は貴重でした。

真ん中はきくやさん。子供の頃、母といっしょにここでアイスクリームを食べました。足がついた金属の器で、四角いスプーンで食べるバニラアイスクリームはおいしかったなー。

右はフクゾーさん。子供の頃あったかどうか忘れましたが、高校生の頃、ここのシャツやブラウス、スカートなどがはやってました。たつのおとしごのマーク、なつかしい・・・。

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ひだりはよしださん。ここの社長さんは、居酒屋探検隊隊長と小学校からの仲良し、しんちゃんです。

真ん中はレース専門店のちかざわさん。きれいなレースがいっぱいありますよ。贈り物におすすめ。

右のポピーさんは、父のお気に入りでした。渋くていい紳士用の洋服や小物があります。

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左はユニオンスーパーマーケット。これも子供の頃はなかったかもしれませんが、店の前でソフトクリームを作っていて、高校生の頃、友達といっしょによく食べたものです。その手のやり方のハシリだったと思います。

それからポンパドールは、フランスパンなんてあんまりなかった頃、焼き立てを売り出しました。焼き上がりの時間が書いてあって、わざわざ買ったりしたものです。

そして右が、私がよく行くスミノさん。一年に数回しか行かないのですが、お店に入ると私をめざとく見つける店員さんがいるのです。で、私が好きそうなものをすすめてくれるので・・・今日もブラウスを買ってしまいました。あーあ。

次の居酒屋探検はいつかなー。隊長ーーー。

 

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2008年3月22日

篆刻DVD 完成近し♪

なんだか軽く考えていたDVD作りでしたが、毎日夜遅くまでかかって、ようやく本編の編集ができました♪

ファイナルカットプロのデータをムービーにして、今、DVDを作っています。これから遠藤先生に見せるのです。

中で使った写真をご紹介しましょう。

口絵2寿山.jpg

まずは、寿山石。きれいですねー。こんなにたくさんの色があるんですねー。鈕の彫刻も見事です。

口絵2青田.jpg

次は青田石。これも種類がありますが、やっぱり透き通ったような色合いが好きだなー。

口絵3鶏血-1.jpg

最後は鶏血。見事としか言えません。

こんなすばらしい写真を撮らせてくださった遠藤先生、ありがとうございました。

さあ、DVDを気に入ってくださるでしょうか・・・・・。

 

 はじめての篆刻入門DVD    一つで十の面をもつすごい印   天来書院トップ

2008年3月20日

はじめての「篆刻入門」DVD

11時半、会社のドアを開けると、なみちゃんが一人で仕事をしている・・・。おお、きみもか。展覧会までに作らなくてはならないのが、なみちゃんの本と私のDVD。いっしょにがんばろーね。

ということで、ふたりでもくもくと仕事をしております。

朱文印彫る.jpg

篆刻入門の本はたくさんありますが(でも、今回の本は、現代作家が愛用している印の実例満載)、DVDは初めてです。三日にわたって撮影したテープをデータに直し、切ったりつないだり。効果をつけてテロップを入れ、シナリオを作って、時間を忘れる楽しい仕事です。

前のビデオのときは、出来上がりを想像しながらシナリオを書いたので、なんだか頼りなかったのですが、今は自分でぜーんぶできちゃうので、仕上りが確認できます。なんと気が楽なことか。

海印.jpg

このDVDには、朱文印、白文印の彫り方のほかに、印泥の扱いや袴の作り方まであります。学校の副教材にも最適ですよー。

 

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2008年3月19日

鉄道唱歌

「汽笛一声新橋を」から始まる「鉄道唱歌」。これ何番まであるか、ご存知ですか? すごいんです。なんと、66番まであるんですよー。

一  汽笛一声新橋を はや我汽車は離れたり
   愛宕の山に入りのこる 月を旅路の友として

さー、新橋を出発しました。次は~

二  右は高輪泉岳寺 四十七士の墓どころ
   雪は消えても消えのこる 名は千載の後までも

三  窓より近く品川の 台場も見えて波白き
   海のあなたにうすがすむ 山は上総か房州か

品川のお台場です。これからの旅を想像すると、わくわくしますね。

四  梅に名をえし大森を すぐれば早も川崎の
   大師河原は程ちかし 急げや電気の道すぐに

五  鶴見神奈川あとにして ゆけば横浜ステーション
   湊を見れば百舟(ももふね)の 煙は空をこがすまで

川崎から鶴見、横浜、保土ヶ谷、戸塚。

六  横須賀ゆきは乗替と 呼ばれておるる大船の
   つぎは鎌倉鶴が岡 源氏の古跡や尋ね見ん

大船で降りて横須賀行きに乗り換え、鎌倉へ行ったんですね。ちょっと省略して

一〇 汽車より逗子をながめつつ はや横須賀に着きにけり
   見よやドックに集まりし わが軍艦の壮大を

逗子まで来ました。本線に戻ります。

一一 支線をあとに立ちかへり わたる相模の馬入川(ばにゅうがわ)
   海水浴に名を得たる 大磯みえて波すずし

大磯の海が見えます。どんどん変わる、窓の外の風景。

一四 はるかにみえし富士の嶺(ね)は はや我そばに来りたり
   雪の冠(かんむり)雲の帯 いつもけだかき姿にて

富士山が見えました。いいお天気です。

二四 いつしか又も暗(やみ)となる 世界は夜かトンネルか
   小夜の中山夜泣石 問へども知らぬよその空

トンネルの中は暗闇。「世界は夜かトンネルか」って、ちょっとオーバーじゃない。

などなどしながら、浜松、豊橋、蒲郡、名古屋、岐阜、関が原、米原、彦根、そして京都。風景を楽しみながら、今通っている場所の様子に思いをはせます。

四六 東寺の塔を左にて とまれば七条ステーション
   京都々々とよびたつる 駅夫のこゑも勇ましや

京都京都とよびたてる駅員さんの声。臨場感にあふれているじゃありませんか。

おしまいは神戸です。

六五 おもへば夢か時のまに 五十三次はしりきて
   神戸のやどに身をおくも 人に翼の汽車の恩

今では新幹線で、窓の風景を楽しむこともなく、目的地に直行ですが、このころは余裕があるなー。

ちなみに、この東海道編のほかに、山陽・九州編、奥州・盤城線編、北陸地方編、関西・参宮・南海各線編、そして東京の電車めぐりまであるそうです。

そして、じゃーん、民謡、子守唄、童謡を集めた墨場必携「ふるさとの唄」(船本芳雲先生編)ができました。

ふるさとの唄.jpg

絵も船本先生です。

船本先生作品.jpg

船本先生の作品、楽しいでしょ?

本は3月28日発売です。お楽しみにーーー。

 

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本当は恐い子守唄  本当はおもしろい子守唄   民謡のカリスマ

2008年3月18日

集空海般若心経 第七版

本日、比田井南谷編『集空海般若心経』を重版しました。

 

空海般若心経.jpg
これは、天来書院を創業したとき、最初に作った本なんです。初版1990年で、2008年に第七版。一度に500冊しか作りませんから、あんまり儲かるっていう気はしませんが、一度にたくさん売れる本より、いい本を長~く売っていきたいというのが、私たちの願いなのです。集字原本.jpg

これは、どの原本から字をとったかというデータです。やっぱり三十帖策子が一番多いのですが、空海真筆といわれるものを詳しく(詳し過ぎる・・・)調べて、字をとっています。最初に作ったのは条幅だったのですが、字を決め、拡大率を決め、壁に貼ってながめてはまた修正し、という作業を繰り返し、最初から一つの作品として書かれたように、自然な仕上りになっているのは、わが父親ながらすごいと思います。

折帖にするにあたり、表紙をどうしようと喧々諤々。布だと普通すぎてつまらないし、和紙でもいいけどオリジナリティを出したいし。

というわけで、織物の模様を、緑色のラシャ紙に金で刷りました。

おお、拡大したらすごいことになった(汗)。

この般若心経、最初は「名筆五体般若心経」というふれこみで発行しました。その中から、本書と篆書の『呉昌碩般若心経』が重版を続けています。

折帖なので少々高めですが、落ち着いて書を楽しみたい方にぴったりですよ。

 

今までの出版秘話

天来習作帖  学書筌蹄  専門家も満足する写経の名品  作品と草稿-天来小品精英  

広開土王碑

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2008年3月17日

肩こり解消法

一日中、パソコンでDVD編集をしていると、肩こりがひどいったらありません。

 

解消法

1.パソコンをやらない。  それはないなー

2.泳ぐ。           そんな時間ないっつーの

3.大根をおろす。      これ結構いいんだけど、大根がない

4.姿勢をよくする。     それができれば肩こらない

5.伸びをする。       これっきゃないか

 

 

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2008年3月16日

多摩川の古墳

多摩川に古墳があるんですよ。ぽかぽか陽気に誘われて、でかけてきました。

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左がその入り口。東急東横線の多摩川駅からすぐです。公園は高台にあるので、多摩川が見えます。今日はたくさんの人々でにぎわっていました。

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左は梅です。遅咲きですね。右はつつじ(かな?)のつぼみ。もうすぐ開きますよ。

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古墳の案内図がありました。史跡亀山古墳。ふーんってか。

左に立っている石標。なんか古そうだなーって思ったら、昭和4年建立でした。手彫りはやっぱり品格があります!

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野鳥がたくさんいるんですね。写真を撮ろうと思ったら、「あれは鳩だよ」。じゃああれは? あれはカラス。なーんだ、いないんじゃん。

 

桜の木がたくさんありました。お花見、ここでもできるね。途中に赤い橋があったり、結構楽しめます。まわりは閑静な住宅街で、窓がステンドグラスになっているおうちが見えました。

そして、古墳が八つもあるらしい。よーし、いってみよ。

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この画像を作るの、すっごく時間がかかったのですが、みんなおんなじじゃん。こういうの、徒労っていうんだ・・・。

とにかく、みんな見ましたけど、なんにも見えなかったぞー。

疲れたから、どっかで寝転がっちゃおうかな~。

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だめだって書いてある・・・・・。

じゃあ、多摩川へ下りてみるか。

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つりをしている人がいました。これ両方とも同じ人のさおです。電車が走ってます。

水って、なんか癒されますよね。

 

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2008年3月15日

知られざる名品 米ふつ

比田井天来は、中国は唐以前、日本は平安時代以前の古典を広く学べと教えました。確かに近代の作品を習うと、その風に染まってしまいがちで、自分独自の書を確立しにくくなります。

でも、唐時代より後でも、好んだ作家がいます。その一人が米ふつです。

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その証拠がこれ。天来壮年の力作である『天来習作帖』に、米ふつ「値夜帖」の臨書があるのです。書論の中でも、何紹基と米ふつによいものがあると書いています。

そこで、知られざる名品に米ふつを取り上げたというわけ。

ちなみに、比田井南谷が好きだったのは

米ふつ2.jpg

これです。米ふつの「大行皇太后挽詞」。自著の『中国書道史事典』にも載せました。

 

で、知られざる名品『米ふつ』に「値夜帖」をどうして載せなかったのかって? 膨大なコレクションの中にまぎれてみつからない・・・。

 

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広開土王碑

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2008年3月14日

好太王碑  知られざる名品シリーズ「広開土王碑」

あれは今から35年ほど前、「書学院の広開土王碑」を見たいのですが、というお電話をいただきました。

ちょうど、李進熙さんの日本陸軍の改ざん説が出版された直後で、書学院に拓本が三種類あり、確かにそれぞれとても異なった拓だったので、父は夢中になって調べていました。ところが、この電話の前に、庭のちょっと高いところにはえていた茗荷をとっていたときに、足をすべらせて落下し、肩を骨折して入院していたのです。(肩の中に鉄の棒を入れたので、伏見先生が「鉄腕南谷」という印を彫ってくれた。)

で、私がお相手をしたのが、今回監修をお願いした武田幸男先生だったのです。

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ねっ、違うでしょ? 

李進熙さんの説は、碑が発見されたあと、日本軍が石灰を塗って内容を改ざんしたというものでした。日本軍がやったかどうかは別にして、確かに右の拓本は不自然な字形です。父は、もしかして左の拓本は、石灰を塗る前のものだはないかと期待していましたが、いろいろ比較検討すると、どうも石灰を塗った後、石灰がとれてきて、その後の拓本ではないかと考えるようになりました。

武田先生もその説に賛成されたので、では、石灰を塗る前の拓本はあるですかと質問したところ、金子鴎亭先生が所蔵している拓本がそれでなないかと思うと話されました。

この金子本こそが、今回発行した『広開土王碑』、文字が見えにくいので骨書もつけました。

金子本.jpg

これこれ、これこそが広開土王碑の真の姿。見えやすいからといって、石灰本など習ってはいけません!!!

この本は、現在開催中の「創玄展」の売店にあります。ぜひとも手にとって見てください。

ちなみにこの話には続きがあります。数日前、武田先生からお電話をいただきました。「あの淡い色の拓本は、紙も墨もすばらしい名品だと思いますが、出所はどこですか?」 石灰本を南谷が購入したのは覚えていますが、そういえばあっちは天来の頃からあったと思うとお話しすると、「満州で作られたのではないかと思います」というお話。それはいつごろですか? 昭和7年から10年の間です。ちょっと思い当たらないので、調べてみます。

なんとなく気になるのです。満州ってどこだっけ? 樺太か? 天来は樺太へ行ったぞー。

そうなんです。天来が樺太へ行ったのは昭和11年。ぴったりと符合するではありませんか。一行が船から降りたとたん、すごい数のカメラのフラッシュに驚いたというから、かなりの歓迎だったのでしょう。だとすれば、貴重な拓本を手に入れることもできたはず。

天来宛の書簡を調べてみよう。満州からのもあるかも・・・。

 

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2008年3月13日

北海道神宮の蔵春閣

昨日、札幌の話題を書いたので、今日もその続きです。

北海道神宮のコピー.jpg

有名な北海道神宮です。ビデオからとったのでちょっと画質が悪いです。

 
北海道 蔵春閣.jpg

比田井天来書「蔵春閣」扁額が、社務所にかかっています。誰でも見ることができますよ。

桑原翠邦.JPG

桑原翠邦先生の作品が向かい合ってかかっています。対比がなんとも興味深いですね。

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小樽の青山別邸には「天来の間」があります。天来の作品は、海に向かって何かを語りかけているようですね。

 

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2008年3月12日

札幌 六書堂

札幌の住宅街を歩いていくと、こんな壁に出会います。

六書堂 壁.JPG

ここは、看板やウィンドディスプレイを手がける会社「六書堂」さん。六書というのは、漢字の成り立ちを示す「象形・会意・転注・処事・仮借・諧声」のこと。初代の社長さんが書道に造詣があったんです。

六書堂看板.JPG

看板にも同じ字です。そして、建物の中に入ると

 
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比田井天来が書いた扁額も、大切に飾ってくださっているんですよ。

そして、そのそばに

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岡部蒼風先生の作品が・・・。おもしろい書だなー。

 

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2008年3月11日

桑原翠邦先生

比田井天来門流の先生方の中で、天来のことを一番考えてくださったのは、桑原翠邦先生ではないだろうか。

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これは昭和10年頃、左から翠邦先生、比田井天来、小琴、金子鴎亭先生だ。暖かい雰囲気の中に、明日にかける翠邦先生の意気込みが伝わってくるようだ。

天来は昭和14年に他界したが、翠邦先生は師の思想や作品を伝えることが先生の使命でもあるかのように、たくさんの方々に天来のことを話してくださった。本当に嬉しそうにお話になる様子を思い出すと、今でも胸が熱くなる。

無一物のコピー.jpg

これは昭和43年に釧路で撮影された映像だ。先生は63歳、厚みのある線が力強く書かれていくさまは、まさに圧巻である。50歳代はもっとスピードがあったということだから、その迫力はすばらしかっただろう。

私が書道出版の仕事を始めてから、それはそれはお世話になった。原稿をお願いすればすぐに送ってくださるし、推薦文もいろいろ書いてくださった。

先生の傘寿のお祝いが京王プラザホテルで開かれたとき、乾杯の発声をさせていただいたのは、私にとっては一大事件だった。このような役目は生まれて初めてだったのだ。その後もいろんなことをさせていただき、人前で話をする練習を積んだが、もっとも大きかったは桑原呂翁先生プロデュースの翠邦先生のビデオだ。

最後の撮影 顔のコピー.jpg

ここで先生が誰に向かって話していらっしゃるかというと、この私なのです! 今ではマイクを持つとどこでもインタビューをしてしまう私であるが、このときが初めての経験。緊張はしたけれど、なんとなくうまくいった(ような気がする)のは、やっぱり先生のお人柄のせいだろう。数えで90歳だというのに、しっかりした声でとうとうとお話をされるし、いろんなことをよく覚えていらっしゃった。そして、私がお聞きした以上のことを話してくださったから、これほど楽なインタビューはない。

作品もたくさん書いてくださった。

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天賜清福.jpg

「天賜清福」。現在の皇太子さまご兄弟に書道ご進講をされながら、書道界とは一線を画し、名誉も求めず書に生きた先生。まさにその生涯を物語るようなことばだと思う。

先生は、このビデオ撮影の後、数日でお亡くなりになった。ご自分で身辺整理をされ、眠るように息を引き取られたとうかがった。

先生が天来のことを伝えてくださったように、私も先生のすばらしさを伝えていかなくてはと思っている。

 

DVD書-二十世紀の巨匠たち 第三巻 多彩な書表現    

桑原翠邦臨書集第三巻・第四巻・第五巻

 

忘れえぬ人々  伏見冲敬先生  石田栖湖先生  駒井鵞静先生  

 

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2008年3月10日

早咲きの桜

居酒屋探検隊の余韻の残る昨日(早く言うと二日酔い)、家のまわりをお散歩しました。

並木.jpg

ここは渋川堤というんですが、川の両側に桜並木が続いています。満開の頃は屋台が出たり、とってもにぎやか。

まだ桜は咲いていないかな?

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おお、結構咲いていますよ。自己主張したい木もあるんだなー。目立つことは目立つけど、ほかの木が咲いていないから、見る人はほとんどいません。いーんだか悪いんだか。

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左の木、不思議な形だ。右の椿も不思議な蕾。どんな花を咲かせるんでしょうね。

おしまい。

 

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2008年3月 9日

第五回居酒屋探検隊 赤坂編

居酒屋探検隊も第五回目に突入。今日はすごいことがいっぱいありました。おもしろいぞー。

今日は最初からゲストをお呼びしています。それは、いつもお世話になっている、精華堂の早川さん。DVD「筆墨硯紙のすべて」の「中国編」に登場してくれているので、知ってますね? 知らない方のために、後で写真がでますよー。

さて、早川さんと私は3時半から上野精養軒で奎星会の祝賀会、5時半からはグランドプリンスホテル赤坂で創玄書道会の祝賀会と、二つもお仕事(のつもり)したのに、隊長と顧問ちゃん、まゆみ隊員は早くも赤坂で飲んだくれていたのでした。しかも写真を撮っていないというゆゆしき事態! でも一応紹介してあげよー。

最初は「まとい」というお店(らしい)。ビール、かもし人九平次(そんなお酒あるの?)、黒龍を飲んだ(らしい)。豚角煮の唐揚げ(なんじゃそりゃ)、いかとたけのこの木の芽和え(おいしそう)、さつまあげ、つくねを食べた(らしい)。

次は(二軒目だとォ?)赤坂亭という、何でも300円均一の店(うっそー)で、燗酒を飲み、いわしの丸干し(これもいーなー)、薄あげカツ(キョーフのとんかつを思い出す)、冷奴を食べた(らしい)。

グランドプリンスホテル赤坂の五色の間は、ブッフェスタイルだと2000人を収容。満杯状態です。宴もたけなわの頃、私に敬礼する人がいるではありませんか。おお、前の探検隊でお呼びした川村玄舟先生です。「どーして写真出したの」と聞かれたので、「小さいでしょ」と言ったら、「大きいよ」と言われました。なんでもお客さんが見つけてプリントアウトしてくれたらしい。そういえば、「川村玄舟」と検索した人がいたけど、あれかー。

早川さんと待ち合わせの時間になったので玄関に向かうと、まゆみ隊員から電話。「顧問ちゃんが川村玄舟先生を呼んだのでいっしょに来てね」。えーっ、この人ごみでは無理・・・と言った直後、川村先生現れる。

本日の参加者は、隊長、顧問ちゃん、隊員二名、そして横須賀の黒船こと玄舟先生です。(が、だんだん増えていった)

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探検隊はじめての都心進出です。隊長と顧問ちゃんが歩いていく。玄舟先生も見える。さー始まりますよー。

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今回は先に場所を決めてありません。行き当たりばったりってやつです。で、最初に入ったのはここ、梓川。階段を下りていきます。

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まずはビールと探検隊の看板(第五回のシールつき)。つきだしはふきの煮物とのれそれ(あなごの稚魚で、これ絶品でした)。ビールが一杯だけなのは、みんな先を争って飲んでいるからです。ツメタイ・・・。

で、次は何を飲む?

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これっ。綿屋っ。なんだかうれしそう。右が今回のゲスト、早川さんです。

一合が780円だから、一升瓶だといくらですか? 7800円です。なんだ、それじゃ一人一合ずつにしよう。

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あーん、写真撮るんだからちょっと待ってよ~。みんなそんなこと知っちゃいません。あっ、右上に黒船先生のおひげが見えるぞ。

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本日のおつまみ、最初はうどのぬた(しゃきしゃきして美味)、しめさば(お酢の加減がいい感じ)、まぐろのカマのあぶり(おいしかったなー)、そして牡蠣のてんぷら。お酒は綿屋の後、黒牛を飲みました。

今回、一番乗りまくっていたのは、無理やり誘った玄舟先生。なんだ、このテンションは。先生はゲストですよね? 違う、隊員です。そーかー。欠席の多い副隊長の座を奪いそうな勢いだ! 

でも、関正人先生社中の二次会に呼ばれて、行ってしまいました。じゃー、次に行こう。

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ここ、入ろうか? でも満員でだめでした。人生の哀愁を感じさせる男の背中だ。

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次はエステ、ではなく隣の焼肉屋です。だって焼肉全品半額だよー。入らない手はないよね。顧問ちゃんは韓国好きだし。

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タン塩とキムチ、ほかいろいろ。

 
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さあ、焼こう。あれー、キムチを焼いているのは誰だっ。やっぱり隊長か。これおいしいよ。ほんとかな、食べてみよう。おお、これもいいなー。飲んだのはチャミスルという韓国の焼酎です。

お店を出たら、あれー、清原大龍先生だ。九州福岡県の先生なのに、なぜだかいつも夜の街で出会ってしまうのだ。最初の出会いは、毎年熱海で行われている日本詩文書作家協会の春季研究会。清原先生は講師として参加していて、私がインタビューしたのです。いっしょに飲みましょうよー。

さらに創玄書道会の加藤有鄰先生、札幌の山田起雲先生に遭遇。みんな三次会の場所を探しているんだな。せっかくだから合流しましょうよー。

花の舞.jpg

ここ、花の舞で飲みました。お酒はもちろん、金子鴎先生題字の一の蔵。よく覚えていないけど、楽しかったらしい。

時刻は11時半。早川さんは帰宅。と、まゆみ隊員が親しいビーフラットというお店の田口さんから電話で、前のお客が帰ったから、これから来てもいいよ。そこ、生ピアノの演奏で歌が歌えるんです。行こう行こう。っていうんで、加藤先生、山田先生も誘ってお店に行きました♪

011最後の店.jpg

こんな感じ。いい雰囲気でしょ。

何を歌ったか忘れたので、まゆみ隊員に教えてもらったところ、私は「川の流れのように」、顧問ちゃんは得意な「花」と「竹田の子守唄」を歌った(らしい)。加藤先生も歌った(らしい)。最後は田口さんと隊長がギターを弾いて、みんなで「悲惨な戦争」を歌いました。

最後はタクシーでご帰還。なんだか夜明け近かったような気がするなー。

参加してくださったみなさん、ありがとうございました。また誘っちゃお。

第一回居酒屋探検隊 藤沢 九昇

第二回居酒屋探検隊 神田 みますや

第三回居酒屋探検隊 浅草 丸太ごうし

第四回居酒屋探検隊 横須賀編

 

第一回居酒屋放浪隊 中目黒 ほさかや 根室食堂 おおたる

第二回居酒屋放浪隊 新馬場 牧野  放浪する隊員たち

第三回居酒屋放浪隊 ひな祭りと中華街

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2008年3月 8日

桜の蕾もふくらんで

久しぶりに、春の陽があふれる日になりました。

そろそろ桜はどうかな?

桜の蕾.jpg

おお、だいぶふくらんできました。

つぼみには、夢がありますね。将来、美しい花を咲かせるための要素が、ぎゅっとつまっています。それらがだんだん大きくなり、ずっと大切に守ってくれた皮を破って、それは美しい花が咲く。しかも、毎年!!!

蕾、それは幸せの予感。

 

さあ、今日は3時半から最初のパーティー、5時半から次のパーティー、その後は、突然決まった「居酒屋探検隊」です。

元気だ・・・。

 

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2008年3月 7日

徂徠山の摩崖

今日は中国山東省にある徂徠山に行きましょう。雄大な光景の中に、北斉時代の文字が彫られています。

1徂徠山山頂.jpg

まわりは樹木がたくさん茂っているのに、この山だけはなぜか岩ばかり。もう少し近づいてみましょう。

2徂徠山山頂.jpg

前に行った天柱山も岩山でしたね。中国の仙人は、こんな岩山に住んでいるそうです。

てっぺん(少し右)に大きな岩が見えますね。あれが映仏巖、向こう側に文字が彫ってあります。さあ、登ろう。

もちろん階段などなく、まったく整備されていません。こんなところにくるのは、よっぽどの物好きだけなのです。

岩に足をかけ、必死で登ります。冗談じゃなく、ほんとにたいへんです。

3映仏巖.jpg

やっと頂上に到着。これが、下から見えた映仏巖です。

4文殊般若経.jpg

岩の下のほうに彫ってある「文殊般若経」です。岩の割れ目を避けながら、のびのびと、くったくなく書かれています。いわゆる「上手な字」ではありません。でも、いい字でしょう?

天来は書を四つに分類しました。「上手な書」と「下手な書」、そして「いい書」と「悪い書」です。それぞれ組み合わせます。

1.上手で良い書 これが一番いいでしょうね。

2.上手で悪い書 「うまいだろー」といばっているような書。

3.下手で良い書 こういうふうに感じる書ってありません?

4.下手で悪い書 これは最悪。それにしてもひどい言い方。

1と4はいいとして、問題は2と3です。南谷は3(下手で良い書)をとっても推奨しました。1(上手で良い書)を上回ることもあるんですよ。

次回(いつになるかわからない)はいよいよ「雲峰山」に登りま~す。

 

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2008年3月 6日

マスタードスプラウト

デコレーション.jpg

マスタードのスプラウトに、とうがらしとパン粉とブラックペッパーをアレンジしてみました♪

 

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2008年3月 5日

とうがらしふりかけ

とは思えない絵になった・・・。黒ゴマの存在は大きい。のりがかわいい。

唐辛子ふりかけ.JPG

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2008年3月 4日

天柱山 鄭羲上碑

飛行機.jpg

飛行機、大好きなんです。小型の飛行機が特に好き♪ 会津八一のビデオを作ったとき、新潟で4人乗りの飛行機に乗りました。また乗りたい!!!

ってわけで、これは中国へ行くとき、窓からの眺めです。どのへんを飛んでいるのかな。

今日は、中国山東省、天柱山へ行きますよー。

どこまでも畑が続く道を走っていくと、見えてきましたよ。だんだん近づきます。

天柱山へ近づく.jpg

このごつごつした岩山が天柱山。中腹に何か見えますね。

天柱山 近く.jpg

碑亭の中に、見えましたね。これが、鄭道昭が書いた「鄭羲上碑」。有名な「鄭羲下碑」の前に書いたといわれています。

この石段の数、並みではありません・・・。

鄭羲上碑.jpg

読みやすくするためか、碑は前に傾いています。一字が小さいので、臨書する人はあまりいませんね。

「鄭羲上碑」と「鄭羲下碑」はほぼ同文だといわれていますが、実はかなり違っていて、下碑ではかなり文章が増えています(坂田玄翔著『鄭道昭・秘境山東の摩崖』 1984年・雄山閣出版)。

とにかく、中国で書の旅をしようと思ったら体力勝負。ダイエットになるって? お料理が美味しいので太る・・・。

 

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"天柱山 鄭羲上碑" つづく

2008年3月 3日

中国旅行 泰山金剛経

中国で撮影した動画を見ていたら、なんだかなつかしくなったので、突然ですが中国旅行の写真を少しずつご紹介することにしました。今日は泰山金剛経です。

1泰山金剛経道.jpg

この拓本、大好きなんです。泰山金剛経の「道」。家族のだれかが「あの道」というと、これなんです。だから、一度泰山金剛経を実際に見てみたかったんです。

まず、中国へ行きます。山東省にある、あの有名な泰山。ロープウェイで頂上へ行ってはいけません。目的は山の中腹、ひたすら歩いて登ります。けっこうきついです。

木立の間を抜けると、急に視界が開けます。

2金剛経遠景.jpg

広大な岩盤一面に、金剛経が彫ってあります。すごい眺め。

3金剛経近景.jpg

近づくとこんな感じ。なんとも悠然とした表情の文字が、延々と続きます。

人と割れ目.jpg

この「人」っていう字、太い!!! 水がたまっちゃってます。右なんか、岩の裂け目を利用しちゃってます。おおらかなもんです。

4泰山 蘭を見ている.JPG

うまくいくと、こんな風に、石の上に降りることができます。(今はだめかな)

中国ロケは二回しました。順にご紹介しますよ。

 

知られざる名品シリーズ 泰山金剛経

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2008年3月 2日

第三回居酒屋放浪隊 ひな祭りと中華街

ある日、隊長からメールが来ました。お雛様飾ったよ。放浪隊ひな祭りをやろうよ。

おお、それもいいね。じゃあついでに、中華街探検なんてどう?

そーです、何も日本酒居酒屋だけが居酒屋ではない。これからは世界に旅立とう。手始めが横浜中華街。隊長の庭みたいなもんです。レアなお店をいっぱい知ってるぞーーー。

51チャーミングセール.jpg

と、ところが、元町はチャーミングセールの真っ最中。これじゃあ、中華街も混んでるかな?

でも、隊長のことだから、よそから来た人は絶対行かないようなお店に行くに違いないのだ。うきうき。

52雛飾り.jpg

お雛様は養心王の向こう側に飾ってありました。右はまゆみ隊員の作品です。

それにしても、上のほうには掛け軸がいっぱい、左右には本がいっぱい。お雛様はどうおもっていることやら。

53比田井家で.jpg

それじゃあ、出かける前に軽くビールで行こう。上から時計周りでソラマメ、たことうるいのからし酢味噌、鯵の南蛮漬け、北海漬、ままかり。いい前菜だ・・・。できあがっちゃう前に出かけよう。最初はおそばだよ。えーっ?

54まつむら.jpg

元町にはお蕎麦屋さんが4軒(だと思う)ありますが、ここ「まつむら」は、私の中学校・高校の時の同級生、松村君がやっています。あっ、君って言っちゃった。だって、その頃はそう呼んでたんだもん。私のことは比田井って呼んでた・・・。

55料理.jpg

おそばもかためでおいしいのですが、つまみがまたいいんです。そば味噌は軽く焼いてあっておいしい。右上はそばしんじょう。揚げてあるので、外はからっと、中はもっちもち。左下は地鶏のかえし焼き。ほら、そばつゆを作る前の「かえし」ってあるでしょ。あれをからめてあるんです。いけます。それから卵焼き。私たちってこれ好きだよね。

お酒は、ここでオススメの奈良のお酒(よくわからない)と浦霞。一人1500円なり。

あっ、そうそう、忘れていました。今回の参加者は隊長、まゆみ隊員、今日始めて加わったK隊員、今年早稲田大学に入った、本が大好きな新人です。これからがんばれよ。そして私こと和子隊員。

エキゾチックな街、元町で「蕎麦屋でいっぱい」なんてときには、オススメのお店です。で、お蕎麦は食べずに「次いこー」。

56中華街.jpg

毒ぎょうざ事件の後、中華街へ行く人はめっきり減ったそうですが、今日はチャーミングセール効果でお客さんがいます。

最初はふつうーのところから行こう。オー。

57清風楼.jpg

といっても、表通りではありません。ひとつ元町よりの、いわゆる「裏通り」にある「清風楼」。しゅうまいといえばここです。思いっきりお肉の味が濃いんですよ。右はえび入り肉ワンタン。えびが入ることで、お肉のジューシーさが増すみたい。とろとろの皮も美味です。お酒はもちろん紹興酒。一人1000円なり。

でもここ、ちょっと高いんだよ。紹興酒一杯800円(だと思う)だもん。斜め前にもっと安い店があるよ。

58秀味園.jpg

奥へどうぞ。というんで奥に入ったら、畳の部屋で、ふつーの家みたいな雰囲気。紹興酒4杯ください。それなら、一本のほうがよくないですか?とお店の人。そりゃーそーだ。そうしよう。

左の上は煮物もりあわせ(卵、ぶた耳、手羽先、豆腐)、下は豚の角煮(高菜、卵ぞえ)。これがご飯にのっている「角煮ごはん」は、なんと500円です。安いねー。それから青菜いため。しめて一人1000円なり。

59桃源邨.jpg

4軒目です。この店、すばらしくおいしかったのです。こだわりがすごい。左は豆腐ジャンと油条。油条はいろいろなところで出てきますが、ここのは最高です。練ってから容器にたたきつけ、20分おいてはたたき、20分置いてはたたき、冷蔵庫で低温発酵させ、それはそれは手がかかってます。とろりとした豆腐ジャンにつけて食べると、信じられないくらいおいしい。

右の焼餅もまたこだわりの逸品です。風鶏は今だけしかない鶏のハム,にんにくの芽ともつのいためもの。

どうして看板が全部見えないのかって? 店の名前は出さないと、店主と約束をしたからなのです。

でもこの店主、お互い子供の頃に会っているらしい。私がすごく小さい頃、近所で遊んでいる子供のグループに入れてもらおうとしたら、「おみそ」扱いをした一味がいたのだ。私が「あそぼー」と行くと、「和子ちゃんが来た」といって逃げるやつら。どーもその中の一人だったらしい。そのうち、同じ年頃の子供たち、やおやのみっちゃん、木材加工業のやっちゃんたちと仲良くなって、いっしょに遊んだからいーんですけどね。

もうひとつ、すごいものを食べちゃいました。

60酔っ払い蟹.jpg

これです、これ。酔っ払い蟹。上海蟹を、老酒から始まって順に強い酒に代え、全部で4種類のお酒につけて極楽往生をしてもらい、さらに一週間つけたものです。味噌なんて絶品。肉もすばらしく美味。

お酒はカメ出し6年の紹興酒。売れば売るほど赤字なんだって。ちなみに10年もの、15年ものもありました。ラベルに王羲之蘭亭序が書いてあるのは50年ものだって。

今日ここへ来てよかったなー。しみじみ。

さー、次に行こう。すごいところだよ。

61中華街酒場.jpg

中華街酒場。中華街のチーフコックの溜まり場だとか。

62隊長.jpg

えーっ、ここマンションじゃないのー? こんなとこ、入っていいのー? でも隊長はどんどん進む。

この中だよ。ひえー。

63料理.jpg

なにしろ、生ビール一杯500円、三杯で1000円(めちゃくちゃじゃー)。紹興酒はコップ一杯300円。蒸し物がおいしいので蒸し鶏と大えびのXOジャン蒸しを頼みました。両方ともおいしかったけど、えびは特別美味。

ここのママは柴田理恵さんに似ている楽しい女性です♪

64たむろ.jpg

まだまだ続きます(汗)。旬の道楽「たむろ」。れいな隊員と仲良しのママがいます。チュウハイはウォッカベース。ポテトサラダとふきの煮物を出してくれましたが、超満員だったので早々に退散。

この後はカラオケで休憩。つぐない、パフ(PPMが歌ってた)などをみんなで絶唱。

65マティニ.jpg

最後は、陳さんの店にいこうよ~、っていうんで、グレートウォールでしめ。マティニを飲みました。

これって、いくらなんでも行きすぎでしょー。私たち、なんて元気なんだろ・・・。

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2008年3月 1日

雲平筆 出店  高島屋の大近江展

2月28日から、日本橋高島屋で開催されている「大近江展」に、あの、ただ一人天平筆を作っている、菘翁筆も作っている、父子相伝で貴重な技法を伝えている、あの雲平さんが来てるんですよーーー。さっそく行ってきました。

会場に着くと、人がいっぱい。でも、売っているのは食料品ばかり。近江牛、鮎の佃煮、みそ・しょうゆ、そして日本酒・・・違うっ、今日はその話題じゃないっ。

でも鮎もおいしそう・・・試食しよう。おお、甘みがほとんどないしょうゆ味で美味しい。隣にもある。中型の鮎がお買い得です。あら、これも美味しい。隣の南蛮漬けもおいしい。やーだ、どれにしていいかわからない。とりあえずおしょうゆを買おう。

人ごみをかきわけて奥へ入っていくと、そこは閑静な住宅街・・・じゃないっ、特産品を売るコーナーがありました。

1真珠・香・ろうそく.jpg

奥に見えるのは、なつかしいろうそく屋さんじゃありませんか。前に、天来・小琴夫婦ろうそくを作ってもらったお店です。

2ろうそく.jpg

こんなきれいなろうそくを売っています。上の写真の一番左、十色のろうそくを買うことにしました。これください。ん? 店員さんがいない。誰に言えばいいの?

3ろうそくを作る.jpg

おお、いい感じのお兄さんがろうそくを作っています。溶けたろうを、直接手で塗っていくのです。熱くないのかなあ。

ろうそくを買いたいんですけど・・・。あっ、ちょっと待ってくださいね。とお兄さんが手を拭こうとすると、となりの売り場のお姉さんが、あら、私がやってあげましょう。やさしい♪ 10本はいって1260円、やすいでしょ?

おっと、こんなことをしている場合ではない。雲平さんはいずこに・・・。

4雲平筆.jpg

あったあった。なつかしいあの文字。筆もいっぱい売っています。厳選した毛、確かな技法、一本一本手作りで、この値段はお買い得です。

6籠巻筆.jpg

比田井天来考案の籠巻筆(雲平さんは籐巻筆と呼んでいる)も各種そろっています。

で、雲平さんはどこ?

5雲平さんと筆.jpg

いたいた。こんにちはー。しばらくです。この間はせっかく会社に来てくださったのに、電車の事故でお目にかかれず残念でした。などと話している間に・・・

7人だかり.jpg

あっという間にこんな風になってしまいました。ここに来るのはよほどのこだわりの人。だからみんな雲平さんとお話をしたいのです。今日は暖かいし、午後はきっと大賑わいでしょうね。

大近江展は3月4日まで。滋賀県に足を運ばずとも、名筆を手に取ることができますよーーー。ぜひお出かけください。

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