生涯  - 光に満ちた線の書家・比田井小葩 -

比田井小葩 › 生涯 › 小葩の修業時代
1933-1948

小葩の修業時代

1. 比田井小琴への師事

比田井小琴への師事

前列中央、黒い和服が比田井小琴、左上が小葩。小琴の左が堀桂琴、天野翠琴、前川芳琴

康子は、幼少時から書道に関心を持ち、1933(昭和8)年、東京府立第三高等女学校専科入学後、書道を吉田松苑に師事した。しかし、松苑が筆を折り、指導を比田井小琴に託したという経緯で、1937(昭和12)年、鎌倉書学院で小琴のもとで修業した。1940(昭和15)年から小琴の助手として書学院教授部の助手を務めている。小琴からは、かな書道を習い、小琴の勧めで上田桑鳩から漢字書の指導を受けている。

2. 書芸術家としてのスタート

書芸術家としてのスタート

康子は1937 年から始まった「大日本書道院展」(天来の単独審査)、1939 年「興亜書道連盟展」に出品、中華民国交通大臣賞を受賞した。悲惨な戦争が終わり、敗戦の混乱のさなかに天来門下を中心としてさまざまな新たな書の活動が興隆した。康子は、1947(昭和22)年「第2 回日本書道美術院展」(1945 年飯島春敬によって創立)で推選、特別賞を受賞し、1948(昭和23)「第1 回書道芸術院展」(1947 年創立)では、招待作家として出品、特別賞を受けるなど、書家として目覚ましい活躍を展開していく。康子は小葩という雅号を得て、独自の書芸術の道を切り開いていった。

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