筆
筆墨硯紙
筆墨硯紙

基礎講座

書で使われる筆の特徴

書は、中国で生まれ、やがて日本に伝えられました。

西欧では「カリグラフィー」という、文字を美しく書く技術があります。しかし、ペンやそれに似た先が固い用具を用いるため、表現の幅は限られています。しかし書では、穂先が柔らかい筆を用いるので、繊細かつ多彩な線の表現が生まれてきました。優れた書は多くの人に敬愛され、古典名品として数千年の時を超えて現在に伝えられています。

 

東洋独自の「書」を成立させた「筆」とは、どのようなものなのでしょうか。

 

書で使われる筆は、先端を切りそろえていない動物の毛を束ね、竹や木の筒の先に差し込んだ、東洋独自の文房具です。ヤギや馬、イタチ、タヌキなど、さまざまな動物の毛が用いられ、植物を使った筆もあります。動物の種類や部位によって硬さや長さが異なり、書き味が異なります。

同じように、動物の毛を使ったものに、絵画で使われる筆や、ペンキを塗るための刷毛(はけ)などがあります。均一にむらなく塗るための筆には、硬めで弾力のある毛が使われ、穂先の長さも短く作られます。
これらに比べ、書の筆はひじょうに多彩です。初心者でも扱いやすい弾力のある短めの筆から、専門家向きの柔らかい毛で穂先の長い筆、その中間のもの、あるいはかな用、写経用など用途に合わせたものもあります。

書道用品店に行くと、本当に多種多様な筆が並んでいます。今回は、筆にはどのような種類があるのか、まとめてみましょう。

①産地別 唐筆(とうひつ・中国製の筆)・和筆(わひつ・日本製の筆)
②書体別 漢字用・かな用・写経用 ほか特殊な書体も
③サイズ別1(太さ) 小筆(こふで)・大筆(おおふで)・特大筆(とくだいふで)
④サイズ別2(鋒の長さ) 超短鋒(ちょうたんぽう・雀頭筆ともいう)・短鋒(たんぽう)・中鋒(ちゅうほう)・長鋒(ちょうほう)・超長鋒(ちょうちょうほう)
⑤毛の配合別 剛毛(ごうもう・剛毫ともいう)馬やイタチなどの剛い毛だけで作った筆
       兼毫(けんごう・兼毛ともいう)二種類以上の動物の毛を混ぜたもの
       柔毛(じゅうもう・柔毫ともいう)柔らかい毛だけを使ったもの 羊毛筆を指すことが多い
⑥穂の材質別 動物の毛(ヤギ・馬・イタチ・タヌキ・鹿・猫など)
       鳥の羽(鶏・雉など)
       植物繊維(竹・ワラ・木・草など)
       ナイロン

書の筆は、本当に多種多様なものがあり、全体を理解するのは簡単ではありません。でも、筆は作品の生命。筆を理解することは、よい作品を書くための第一歩です。
次回は、この分類について、もう少し詳しくご説明します。