今どきの桜といえば染井吉野(ソメイヨシノ)ですね。

 

上の写真は有名な奈良県吉野山の桜。

吉野の桜の起源は古く、1300年前からご神木として植えられたきたそうです。

三万本とも言われる桜の中で、一番多い品種は山桜(別名シロヤマザクラ)。

染井吉野は江戸時代後期に開発され、昭和の高度経済成長期に日本全国に植えられたそう。

だから古典文学で詠まれた桜は染井吉野ではなく、日本在来種の「山桜」なんです。

 

しきしまの大和心(やまとごころ)を人問はば 朝日ににほふ山桜花(本居宣長)

うすべにに葉はいちはやく萌え出でて 咲かむとすなり山桜花(若山牧水)

 

「古碑帖の正確な見方」をご執筆いただいている筒井茂徳先生のウェブサイトに、山桜がたくさんアップされています。

 

山桜

山桜の全景です。

 

山桜

染井吉野は花が散ってから葉が出ますが、山桜は葉と一緒に花が咲きます。

 

山桜

風に揺れる姿は、清楚な中に気品が感じられます。

 

もろこしの人に見せばや み吉野の吉野の山の山桜花(本居宣長)

 

大島桜

こちらは大島桜です。

 

大島桜

やっぱり葉といっしょに花が咲いています。

 

大島桜

凛とした美しさです。

 

枝垂桜

枝垂桜(しだれざくら)はなんだか色っぽい。

 

枝垂桜

うん、やっぱり色っぽい。

 

八重桜

八重桜です。

 

いにしへの奈良の都の八重桜 今日九重ににほひぬるかな(伊勢大輔)

 

八重桜

花弁が重なり合って、ゴージャスです。

 

河津桜

一足先に花を咲かせる河津桜も、花と葉が一緒です。

 

河津桜

濃いピンク色が青空に映えます。

 

十月桜

十月桜は秋に咲いて、春にまた咲くのだそう。

お得です。

 

彼岸桜

彼岸桜はお彼岸の3月20日頃に咲くのでその名がついたそうです。

 

彼岸桜に目白

目白発見!

 

染井吉野も美しい花を咲かせますが、日本古来の桜はそれぞれが個性的で、端正な美しさを持っています。

これからは、桜の種類にも気をつけてお花見をしたいと思います。

 

 

参考にしたウェブサイト

季節に映ることば 桜−短歌と俳句 桜−現代詩など

ミヤと探す作品に書きたい四季のことば 第7回 第38回 第55回 第79回 

 

参考書籍

著作権フリーの墨場必携 ミヤが選ぶ小さな詩集 作品に書きたい花の詩 作品に書きたい心の詩 墨場必携・源氏物語

 

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