筆墨硯紙のDVD(当時はVHS)を作るために中国へロケしたのは、2000年の秋のはじめでした。

湖筆・徽墨・端渓硯・宣紙。

見ること聞くこと、そのスケールには驚かされました。

 

ロケの動画は、DVD筆墨硯紙のすべて(全5巻)の第5巻「中国編ー筆墨硯紙のふるさとを旅する」としてまとめました。

羊毛筆の原料である山羊や、紫豪と呼ばれるの野生のうさぎなど、このビデオで初めてご覧になった方も多いと思います。

 

でも、日本と異なり、撮影が制限されて苦労しました。

 

ところがところが、今ではユーチューブはじめ台湾や香港の動画サイトで、自由に見ることができるんです。

ご紹介しましょう。

 

一番苦労したのは「紙」でした。

 

上は紅星牌の看板です。

これを撮影していたら公安が来て「ダメダメ」。撮っちゃったけど、何か?

 

涇県の街を車で進んでいくと

や、山が白い。

登って見ると、一面に稲わらが敷き詰めてありました。

 

取材はここまで。

 

でも、ユーチューブに、宣紙を作る詳しい動画がありました。

「走近科学」と言うサイトです。これです

 

本画宣の原料である稲わらと青檀から、蒸して山の上に干し、紙になるまでが詳しく載っています。

 

さらに、巨大な紙を漉く動画も。

 

 

中国宣紙上

中国宣紙下

 

続いて「墨」。

 

日本では、墨を作るとき手で練りますが、中国では、鉄のハンマーで叩きます。

十万回叩くといい墨になるんだそう。

 

詳しい動画がありました。

こちらです。

有名な墨匠のお話で、最後に若い後継者も紹介されています。

 

続いて硯

 

上は、端渓宋抗で、硯の石を採る様子。

DVDで紹介しました。

端渓坑仔岩や麻子坑もご紹介しています。

 

で、今回発見したのは

徽墨製造工程の動画です。

硯石を採るところから、荒削り、そしてものすごく細かい彫刻まで、すごい技術です。

 

でも、DVDでご紹介した最後の工程は入っていませんでした。

 

これを見たときには驚きました。

蜜蝋を塗りながら火の上で焼くんですよ!

 

湖筆の動画は発見できませんでしたので、DVD「筆墨硯紙のすべて・中国編」から。

 

左は紫豪の持ち主である野生のうさぎ、右は羊毛筆の原料となる特別の山羊です。

 

一緒に取材してくださった早川忠文さんと。

墨の取材の後のワンシーンです。

カメラマンの小郷さんにも本当にお世話になりました。

 

また行きたい!

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