筆の15%割引セールが大人気です。(2010年3月1日まで)
天来書院がおすすめする逸品を作っているのは、こだわりの職人さんたち。
今回は筆を作っている方々をご紹介しましょう。
まずは、滋賀県で、四百年もの間、父子相伝で技法を伝え、筆を作っている藤野雲平さんです。
左は現在の雲平さん(十五世)、右はご尊父、十四世雲平さん(1996年)。
雲平さんは日本で唯一人、「巻筆(まきふで)」の技法を今に伝える筆匠です。
通常の筆は穂首を作って根本を固め、軸に差し込んで固定します。
それに対して「巻筆」は、芯になる毛を和紙で巻き、麻糸でくくり、さらに上毛を掛けます。
詳細は筆墨硯紙基礎講座の中の「巻筆の作りかた」をご覧ください。
これほど時間がかかるのに、この値段でいいの? と思っちゃいますね。
上の筆は、天来愛用の籠巻筆を復元した大朴。
堅牢で美しい筆です。
上は雲平筆の中でもファンの多い「雀頭筆」。村上翠亭先生が愛用なさってました。
穂は途中から極端に細くなっていますが、太い部分の内側には和紙が巻かれていますので、先端だけをおろします。
小筆の穂が全部おりちゃった(泣)ということはありません。
写経や古筆の臨書に最適です。
雲平さんが筆作りを始めた四百年前は江戸時代。あの有名な貫名菘翁(ぬきなすうおう)から依頼されて作った筆が、現在も販売されています。
軸に貼られた紙に印刷されている文字は、当時と同じです。
巻筆ではなく、穂首を竹に差し込んで固定した水筆ですが、二百年以上、同じ製法の筆が販売されているなんて、びっくりです。
四百年の伝統を未来につなげるのは藤野純一さん、十六世となるべく修行中です。
書道テレビにご出演くださいました。
次は、広島県熊野町の仿古堂さん。
仿古堂さんのホームページのトップにある「仿古銘筆」は天来の書。
二代、井原思斉さんは棟方志功ら文人や書家に愛され、「常に表現意欲をゆすぶらずにはおかない ひびきのある筆をつくりたいとねがっています」という名言を残しました。
天来や小琴の筆を作ってくださいましたが、今回は、上田桑鳩先生考案の「先揃えの筆」に注目したいと思います。
筆の穂首を作るとき、さまざまの長さの毛を練り混ぜて使います。しかし上田桑鳩が求めたのは、同じ長さの毛を使った筆。太い素朴な線が書ける筆でした。
伝統の作り方を固守する職人と、新しい表現を求める作家との間で、数年にわたって行われたバトル。
その結果生まれたのが「暖心」です。
暖心シリーズは「宿浄中鋒一号〜八号」のほか、「宿浄短鋒」「長々鋒」などがありますが、人気の「宿浄中鋒四号暖心」と「宿浄中鋒六号暖心」をおすすめしています。
また昨年、比田井天来愛用筆を復元した「天来清玩大」「天来清玩小」も加わりました。
比田井天来が古典臨書用の筆として開発した「菁華」を、桑原翠邦先生監修のもとに製作された「学院法」も人気で、「学院法特小」がおすすめです。
現在の社長は4代目の井原倫子さん。仲良し♡です。
DVD「筆墨硯紙のすべて」にたくさんのアドバイスをくださり、「中国編」にご出演くださった早川忠文さんは、ブログ「文房四宝を楽しむ」でおなじみですね。
DVDを撮影したときは、精華堂の営業部長でした。精華堂は解散したので、「清秘蔵」というお店を立ち上げて、筆墨硯紙の販売をしています。
宣紙のふるさと涇県で解説する早川忠文さん(DVD筆墨硯紙のすべて「中国編」)
「清秘蔵」も、こだわりの筆をたくさん販売しています。すべて豊橋で作られた筆です。
上の筆は「極品純白 精華」。硬すぎず柔らかすぎず、その中庸をなす、楷行草オールマイティの筆です。
剛い毛としては、貂(てん)の毛を使った「極品 貂良毫 中」「極品 貂良毫 小」が人気です。
続いて鳳竹堂さん。
江戸筆の伝統を伝える職人さんは少なくなってしまいましたが、佐久間末男さんは板橋区無形文化財にも選ばれるなど、江戸筆の優れた技法を伝えていらっしゃいます。
江戸筆の特徴は、筆作りのすべての工程を一人の職人が行うこと。毛皮を煮て毛を取り出すことから始まります。
また、どんな筆でも、根本までおろすことができるように作られています。
インターネットで放送した「書道テレビ」にご出演くださいました。
筆作りの動画もありますよ。
鳳竹堂さんが作る筆は、書の作品作りのためだけではありません。
上の「ゴジック筆」は、レタリングなど商業用の筆で、一本の毛も乱れず美しい文字を書くためのもの。要求はとても厳しいそうです。
書を書くときおすすめなのは、「イタチ文字筆2号」。
一筋の乱れなく書き進めることができます。素直な線を書きたいときにおすすめです。
雪柳大は超長鋒ですが、腰があるので穂先がまとまりやすく、お値段も手頃です。
今の筆の職人さんは、お客さまに直接販売しませんが、鳳竹堂さんは板橋区に店舗を構えて販売しています。
セールのときには大賑わいですよ。
「楽しんで字が書ける筆を作りたい」と語る佐久間さん。買ってくださる方と交流しつつ、求められる筆の研究に余念がありません。
最後にご紹介するのは宝研堂さんです。
この写真、どなただかわかりますか? 右は製硯師、青栁貴史さん、左はご尊父の彰男さんで宝研堂の社長さんです。
宝研堂さんは硯の専門店ですが、筆も販売しています。
中国製の筆「写巻」は先が利いて写経や細字を書くときに人気ですが、時々不良品が混ざっていたりします。
「別製写巻」と「別製双料写巻」は、中国製ではありますが、宝研堂が入念な原料の選別・検品を行い、丁寧に一本ずつ穂先を調整して仕上げたもの。
千円前後と書いやすいお値段になっています。
石飛博光先生の愛用する筆もありますよ。
天来書院の筆墨硯紙販売サイトは、メーカーごとに商品を探すこともできます。
よそではなかなか買うことができない筆の数々。
このチャンスにお求めになってはいかがでしょう。