昨日更新された筒井先生のブログは「文字の姿勢−傾きについて」です。
書の入門書には、楷書の横画が右上がりになると書いてあります。
しかし、縦画についてはあまり書かれていませんね。
実は縦画は、横画と直角に交わろうとするのです。
父、比田井南谷がいつも言っていたことを思い出します。
それは、つぶれたマッチ箱問題です。
これがマッチ箱。
そうです。れっきとしたマッチ箱。
中箱をはずして、上から斜めに押すと、
つぶれます。
南谷は、こういう形の文字は、造形的に弱いからだめだと言っていたのです。
たしかにちょっと押すとぺっちゃんこになっちゃう。
つまり
文字はどうかというと
お手本は左なのに、右の形に臨書してしまいがちなんです。
私の場合、線質にばかりとらわれていると、B−2になってたりします。
いけない、いけない、と書き直します。
それと、「古碑帖の正確な見方−臨書がうまくなるために」第一回上にこんな文章がありました。
ところで印刷用の文字である活字体の概形はほぼ正方形に近い。ふだん見ている活字体の影響を私たちは知らず識らず受けており、臨書した文字の概形が正方形に近づく傾向があります。つまり縦長の文字を縦長に書き、あるいは横長の文字を横長に書くことは意外に難しい。もう一つ、手本の文字が横長化しやすいという傾向もあります。 概形が横長化するのは和様の特徴なのですが、おもしろいことに平安朝の仮名を臨書しても、手本の仮名よりも横長化しがちです。
つまり、私たちは活字に影響されがちなので、字形を正方形に近づけがち。
私の場合、これはあまりない。
文字を横長に書きやすい。
惰性で書いているとこうなることがある。
みなさんはいかがでしょうか?