宝石箱の続きです。
作者は宝石箱-2と同じ作家です。

朱色の宝石箱。蓋には鉄線の花、側面は金を使った模様が細かく規則的に描かれています。花弁は黒に見えますが実際には紺色で部分的に金も混じり、朱との組み合わせが絶妙。それが高級感を醸し出しています。ただ、写真ではそれが上手く再現出来ているかが心配です。

前回の宝石箱は点彫りだけで模様を表現していたのに対し、この作品はそれに加え側面は線彫りを施しています。朱色で仕上げた表面に無数の線を掘り、そこに金粉を擦り込み幾何学的な模様を描いています。よくみると一升の中に花が描かれているようにも見えます。

また、花の雄しべをよく見ると曲線は線掘りではなく点彫りの集合体。これも作者の拘りでしょうか?普通は線掘りをするところを敢えて点彫りで細い線を描く。正に名人芸です。

前回の作品との共通点は本体の大きさ。これも最新の作品ではなく、50年程前に作られたとは信じ難いですね。

今現在、こんな宝石箱をもっているとかっこいいですね。宝石箱自体が宝物になるかも知れません。