秋の七草の一つです。深い切り込みの花弁が特徴で繊細で凛とした印象を受けます。調べてみると、種類は300前後あり、色はピンクや紫、白。日本原産は伊勢撫子と河原撫子の2種類があるそうです。この作品の絵は河原撫子と思われます。名前の由来は、万葉集の中で『撫でるように可愛がる子』と詠まれたことから付いたようです。「大和撫子」とは勿論、この花の清楚な美しさからきています。ちなみに、花言葉は「大胆」「純愛」「貞節」。

作品はとても爽やかなデザイン。葉と茎は金で描かれ勢いを感じます。花の特徴もよく捉えられ、花弁、葉、茎のバランスがとても良いと思います。

子供の頃、作品の蒔絵師の家に、父に連れられ行った帰り道。すぐ傍のソーセージ工場の裏手。3メートル以上もある巨大な鮫が吊るされ、その脇に鮫の皮が何枚も干してあった。正直、こんなに大きな鮫を見たのは初めてで怖くてびっくり。父に聞くと鮫の肉はソーセージ、皮は塗物の生地等を削ったり、磨く際に使われるとのこと。当時、実家には鮫皮が何枚もあり、それが今でも残っています。