作業内容は9月から続けている漆を塗る前のベースを作る工程です。下地を塗って乾いたらそれを研く繰り返しです。今回は三辺地(3回目)付けです。

これまでは米糊の量を減らし、珪藻土の目を細かくしながら、一辺地(1回目)、二辺地(2回目)と作業を繰り返してきました。

一辺地、二辺地と違い米糊は入れず、代わりに非常に細かな石灰粉を入れます。それに更に目の細かな地の粉と生漆を混ぜ合わせて塗り込みます。
これが乾くと再度目の細かなサンドペーパーを使い凹凸をなくし平坦に研き上げます。一辺地から三辺地までに薄い層を3回塗り重ねることで表面に薄いガラス質の層を作り硬い殻を身に纏わせます。

筆を使って塗るのですが、粘度が強く平坦に塗るのが難しい。また、毎回、筆先を整えて塗らないと線が入ってしまうのと、早く塗らないと硬くなってしまう等々、かなり苦労しました。

この作業で作品全体の形を整えていきます。この後の工程の中塗り、上塗りでは表面を磨くにも限界があるので責任重大です。磨き上げた後の写真です。

写真は途中に通った山梨県北杜市の紅葉です。
山の向こうは八ヶ岳が見えていたのですが、すぐに雲がかかってしまいました。

こちらは途中に通った富山県です。日本海側に出ると曇り空に変わり厚い雲が空を覆います。そんな雲の中に一瞬青空が見えました。冬になると日本海側ではこんな景色をよく見かけます。