木地は輪島の木地屋さんで買いました。エレガントの方は貝を一辺5mmに細かく切って100枚弱を均等に貼る技術が必要です。また、アグレッシブな方は割れやすい貝を複雑な形状均等に切る必要があります。

以前、別な作品の貝切りと貝貼りを輪島の職人に依頼したところ、図面通りに貝を切れない、貼った面には凸凹がある。まさかの仕上がりに後悔させられた苦い経験があります。それを機に凄腕の螺鈿工房を探した次第です。以降、複雑系の螺鈿の加工については、他県の螺鈿工房に依頼しています。

その螺鈿工房はお隣りの富山県高岡市にあります。レディー・ガガの螺鈿で覆った靴箱を作った実績もあり、螺鈿に関しては非常に卓越した技術とノウハウを持っています。また、螺鈿の加工以外にもデザインによる貝の選び方や作品の仕上げについてもアドバイスをもらえるのでとても信頼を寄せています。

ということで、バングルもこれから仕上げに入ります。貝が剥がれないように貝の周りにも漆を塗って固定する。それから上塗りといって仕上げ用の真っ黒な漆を全体に塗ります。それが乾いたら貝の部分だけ上から磨いて漆を削り取ります。

そうして貝の周りに塗った漆と貝の部分をほぼ同じ高さに合わせていきます。上塗りした漆と同時に貝も磨き上げるので貝は輝き、黒の漆は光沢が出てきます。

12月上旬に完成予定です。乞うご期待願います。