輪島に帰省した際に母親が作ってくれた汁物です。
輪島は海の幸が豊富でどれもが非常に美味しいです。

汁物は普段は脇役ですが、そんな脇役ばかりを集めました。どうぞご覧下さい。

最初はししっぽ(ホウボウ)です。
これは塩焼きで食べた後に頭と骨をお椀に入れ、お湯を注ぎます。味付けは醤油だけ。とても簡単で美味しい。

父親が漁師の友達から教えてもらい、以降は我が家の定番になりました。

次は石鯛の潮汁。
刺身に取った後の頭と背骨を入れて塩と昆布で味付けします。汁というよりは濃厚なスープのようです。上の子供がミルク以外に飲んだのがこの汁でした。

それ以降、この味が忘れられないようです。

次は縞海老の頭を出汁にした豆腐汁。
海老の出汁が豆腐に絡み、何とも絶妙なコラボ汁です。

とても上品な味で寒い日は身体が温まります。

最後はメギスの団子汁です。
これはほぼ毎日近くのスーパーで200円弱で売っているメギス団子に卵の黄身を合わせてお塩を少々。これだけでも、十分おかずになります。

子供の頃から大好きな汁です。

このお椀は実家の納屋から出てきました。
木箱には『大正7年、祝い』と書いてありました。100年前に作られたものです。デザインは『大正ロマン』というのでしょうか?蓋が少し洒落た形状になっています。

祖父の結婚式に使われたものかも知れません。

しばらく使ってなかったとはいえ、100年経ってもデザイン的に違和感がなく、漆の剥がれも見当たりません(五客ありました)。

当時はデザイン的にも切磋琢磨していて、高いレベルの作品を作っていたのが伺える逸品だと思います。