初日、海沿いでは台風が近づいているの?と思わせるくらいの強風が吹いていました。これだと海に入っても水難訓練になりそうなので断念。

その為、母親を乗せて海沿いを西に向けてドライブ。帰省した際に必ず訪れる上大沢です。日本海から吹き付ける強い季節風から集落を守る為の垣根のある地域です。以前、10月末の夕暮れに訪れた際には本当物寂しく泣きたくなるような哀愁が漂っていたのを憶えています。

そこからは先は海沿いの道はなく、一旦山越えしてから再度海に出ます。皆月海岸、この辺りは西風を正面から受けるので更に凄い風。また、海に向かって聳え立つ山には雲がかかり、昨年同じ時期に旅した青森県の竜飛崎の途中、津軽半島の風景を思い出しました。

その後、帰宅してからは母親の畑の草刈りです。草を刈るとキリギリス達が住処を追われ、道路に出てきます。それが本当、30匹くらい大量に出てくるのにビックリ‼️

それでも、草刈り後には彼らはちゃんと隣りの畑に移動していました。幸いに車に轢かれた形跡もなく一安心。彼らからすると本当、迷惑な話しですね。

夕方からはまた海です。今度は西風を受けない入り江です。ここは海藻が生い茂る海の森のような場所。船だとスクリューに海藻が絡まり近づけないし、根掛かりして釣りも出来ない貴重なポイントです。子供の頃から50年近く潜っています。

草刈り作業で熱中症寸前だったので、海に潜り身体を冷やします。夕まづめの正に30分一本勝負。夕陽を背にして進むのがセオリー。こちらからは魚がよく見えて、魚からは逆光でこちらが見え辛くなるようです。

日が沈むと海中が薄暗くなって段々と魚影が見えなくなる。もう限界かと思った時に何とか黒鯛をゲット。この時間帯は大きな魚達も食事に出てくるのと彼らの警戒心が下がるようです。今年の初物になりました。

夕食は母親が朝市で買った平政(ヒラマサ)と縞海老(シマエビ)の刺身です。汁は海老の頭と豆腐の味噌汁。帰る途中に長野で買った白ワインと合わせました。「日本食に合うワイン」とラベルに書いてありましたが、それに違わず極めて美味。

翌日、一晩寝かせた黒鯛の刺身を母親に作ってもらうと身は脂が乗ってプリプリ。内臓にも脂肪が付いていて『それで美味しいんだ』と思う反面、『メタボはこうなるのか?』と思い知らされた気がしました。これに地酒を合わせると本当痺れました。

三日目は前日にゲットしたスズキ。身が甘く唸るくらいに美味。こちらも小さい割には脂が乗っていました。一般に河口に生息するスズキは臭みがありますが、これは外洋物につき臭みは全くありません。

能登には美味しいものが沢山あります。改めて感じた次第です。能登の自然と海の幸。正に幸せを感じるひと時でした。