一般的には面の真ん中に口を付けるケースが多いですが、それではダイナミックなデザインが出来ないと敢えてコーナーに口を付けました。口の形状が自己主張しています。

一部の職人からは口が大きいという意見もありましたが、概ね好評です。当初のデザインはこんな感じでした。

実家の輪島で磨き専門の職人に仕上げを依頼して出来上がってきた際に母親がいて。何て言われるか?心配でしたが、『これまで作った作品の中で一番いいデザイン』と褒められ正直ホッとした次第です。

口をコーナーに付けることで装飾になる螺鈿を二面に渡りデザインしなければならないところが難解でした。

木で作った徳利は軽くていいのですが、陶器のようなずしりとした重さがほしく。敢えて側板と底板を厚くして重みをもたせています。この徳利は友達が遊びに来た際に作っています。

注ぐ際に杯に流れ落ちていくお酒が見えるのがいいのかも知れませんね。