「日本書人連盟」の展覧会に行って来ました。
この会は、比田井天来直門の中でも年少であった石田栖湖(いしだせいこ・1910-1987)先生が会長をつとめていました。
天来門の麒麟児と謳われた才の持ち主で、その作品の静けさと深さに、他者の追随を許さない孤高の境地を感じさせます。
『情疎』(→比田井天来没後80年記念「天来の会」書展)
病に伏せっていた時期もありましたが、故郷である北海道の書道の発展にも尽力し、東京では日本書道専門学校でも教鞭を取っていました。
競書雑誌『書人』の刊行もその活動のひとつです。日本書人連盟は、『書人』で研鑽を重ねる書家の集まりです。
(※なお、この雑誌の連載記事『書人と書』は、天来書院のブログにも掲載させて頂いています。(→こちら))
右から2番目が石田栖湖先生の作品。西狭頌の臨書です。
ほか、左から桑原呂翁先生、左から2番目が高橋蒼石先生、渡辺半溟先生。
左から中野層翠先生、上村泰水先生、岡崎創歩先生。
右の桑原呂翁先生はご紹介済。そのお隣から堀桂葉先生、小林翠径先生、大島泰菁先生。
吉野大巨先生とお会いすることができました。お忙しそうでしたが、お願いしてご自分の作品と並んで頂いたところを一枚。
左は小池竹亭先生、右は古谷春峰先生。
左から佐藤容齋先生、村瀬桂芭先生、橘芳玉先生。
上からつづいて山田聳宇先生、藤沼順風先生。
左から小川玄濤先生、伊藤紫香先生、奈良原汀柯先生。
今年開催の2019年 第8回佐久全国臨書展では、小川先生が最高賞の「天来賞」、伊藤先生が「市長賞」と「審査員賞」のダブル受賞をなさっています。たまたま作品がお隣同士。
ちなみに臨書展の方の作品は(→こちら)から見られます。
左から福田眺雪先生、里薗滴翠先生、佐藤渓雪先生、市川素水先生、鈴木竹邨先生。
佐藤先生は同じく今年の臨書展で「市長賞」「審査員賞」をダブル受賞、また2017年にも「天来賞」を受賞されています。(→こちら)
会派を超えた厳正な審査に定評のある佐久全国臨書展で、今年は日本書人連盟から3人も受賞者が出たという事実が、その実力を物語ります。
左から髙橋節鳳先生、佐藤育美先生、島田小橙先生、原島如水先生。
まだまだご紹介したい作品はたくさんあるのですが、夢中で写真をとっていると、朝一番の静けさから一転にぎやかになってきましたので、ここで失礼させて頂きました。
書に関わるようになって間もないころからよく耳にした「線と余白との響き」とはどんなものか、私自身、書人の作品から学ぶことが多かったように思います。
叙情的な線を、「しん」とするような余白が受け止めて、一体となって高い品格を保っています。
どちらかといえば内に向かう充実性を持ち、その中で静かに創造性を育んでいるような、そんな気配が会場全体にはあふれていました。
関連書籍 →『石田栖湖作品集』天来書院
関連記事1 →石田栖湖先生/酔中夢書2008
関連記事2 →石田栖湖先生/酔中夢書2009