色々と悩む

年金、不況、成人病に政治不信と更年期。悩みだせばいろいろときりがない日々。ではなくて、仕事がら「色」と関わるようになって数十年。相変わらず、こんな色がいいか、あんな色がいいか悩めばきりのない日々。思えば少年時代、周りの世界はこんなにも「色」に溢れてはいなかったのに。そこでふと浮かんだのが・・・。
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少年誌の通信販売で申し込んだ、いろいろな切手の端物のセット。その中にクリーム色の地に真っ黒な方形を背景とした、深い青色の花びらとも花とも言えない得体の知れない植物の切手が1枚混ざっていた。その青とクリーム、そして黒のコントラスト、周りの「色」とは明らかに違う印刷物を何度も何度もながめていた記憶。
十数年前「色」に悩んでいたときに突然、その記憶が蘇った。「あの切手はなんだったんだろう」と気になったら、もうどうしようもなく気になる。そこで、にわかに始めた2年間だけの切手収集。
配色や構図、デフォルメの仕方など、集め始めてみると「うーん、なかなかのもの」と感心させられることも多い。それもそのはずで、国の名前も分からなかった子供のときには思いも及ばなかったが、その道のプロのデザイナーがデザインしたもの。当たり前と言えば当たり前。
蘇った記憶の切手が1.です。 HUNGARY発行の薬用植物シリーズの1枚です。今でもこうした黒の配置はなかなかできないかもしれません。
2.のように花瓶に入れてしまっても植物切手といえるか疑問ですが、このノスタルジックな雰囲気は、また蘇るかもしれません。
国柄を感じさせるといえば3.の切手。ここまで大胆な配色、コントラスト、熱帯のジャングルの押し寄せるような濃密な空気感。
なかなかできない色遣いとえいば、西インド諸島のNEVISの4.の切手。紫やモスグリーンも扱いが難しい色。それを補色と組み合わせるとは・・・。
コントラストでいえば、5.ピンクの地にくっきりと描かれた植物。ここで気になるのは右の1枚。これはBELGIAN から独立した際に「とりあえず」国名を加刷りしたもので、文字と絵柄とのバランスが絶妙です。
国名では、6.。同時に発行された切手の国名の表記が2種類の言葉。この国のその後の歴史が暗示させられます。
教科書通りの配色が7.と8.。同系色をうまく使い分け、落ち着きがありながら華やかさを失わないデザインです。
今月は12月、そこで NEVIS発行の英名Cristmas Candleを描いた1枚を最後に掲載します。
(国名、植物名の表記は"SCOTT Catalogue"から援用させていただきました。)

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