雪の気配〈寒い寒い十日 その2〉

2018年1月22日

 寒中お伺い申し上げます

 

 

 例年にない寒さの一月になりましたが

 野山の生き物世界は今日も淡々と過ぎてゆきます。

 

    蔓梅もどきの実を食べるメジロ

 

  

 

 

  檀(まゆみ)の実を食べるメジロ

 

    檀(まゆみ)の実を食べるコゲラ

 

  

      “ ヘヘ ”

  台湾リスは真冬も忙しそうです。

 

 

      “ ヨンダ?”

      元気でね!

 

  季節はたしかな歩みを進めていて

 

 

   寒風のなかを梅がほころびはじめています。

  

  紅梅も

 

 

 

 

 川に沿った遊歩道を行くと

 薄日のベンチで待っていた猫さんが

 

 

     “ チョットイイカナ ”

     なあに

 

 

   “ 雪 フル ッテ  ?

     オサンポノヒトガ イッテルケド  ”

 

  天気予報はそう言ってるね

  今日は はやくお家に帰ろうよ

 

 

   “ ジャア イソイデ  オナカダケ ケヅクロイ スルカラ  ミテテ… ”

   じゃあ 見てる

 

  そして 灰ネコさんはトコトコお家の方へ帰ってゆきました。

 

 

 帰ると 我が家のふたりは

 

  

 

        “ ミヤチャン ナニシテルノ ”

    “ キニ シナイデ ”

 

 

       “ ネエ ナニシテルノ ”

    “ アッチ  イッテヨ ”

       “ イッショニ  ソコ  ハイリタイ ”

    “ ダメ  アッチ  イッテヨ ”

       “ イッショニ  ハイル ”

 

 

       “ カミクズ  ノ  フクロ  ダッタ ”

 

   いつものように みやは 怒って行ってしまいました。

   いつものことですが   ひたちがちょっとかわいそうです。

   険のある性格はなかなか変わらないもので。

   ひたちも十年の付き合いになると、それなりに

   もう慣れたのでしょうか。

 

  ひんやりと 上空は雪の気配です。

 

 

    幽(かす)かに雪ふりいで、
    月徐(おもむろ)にのぼる。

           柳沢 健「雪の上」より 抜粋

 

  

 

   ああ智慧(ちゑ)は かかる静かな冬の日に
   それはふと思ひがけない時に来る
   人影の絶えた境に
   山林に
   たとへばかかる精舎の庭に
   前触れもなくそれが汝の前に来て
   かかる時 ささやく言葉に信をおけ
   「静かな眼 平和な心 その外に何の宝が世にあらう」

           三好達治「冬の日」より 抜粋

 

 

 

 

 

 

 

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