浄らかな庭〈夏の日の十日 その3〉

2017年8月19日

職員ねこジョーチ君 長期夏期休暇か

 

   北鎌倉浄智寺

 

  立秋が過ぎて十日あまり。

  いつもなら、そのあとも炎暑の時期が続くのですが、

  今年の8月は戻り梅雨のよう。

 

  湘南地方も雨がちで、朝夕肌寒いお盆でした。  

 

   鉄砲百合

 

  少し陽射しが見えると、いきなり茹だるような暑さですが、

 

  鎌倉はいったいに木立が深いので、

  陽の当たらないところは真夏も涼やかです。

 

 

  ただし、木立が深いこともあって、

  湿度はいつも高めです。

 

  ここのところ会えない 職員ねこジョーチ君を尋ねて、

  日盛りになる前に 浄智寺に参ります。

 

 

  境内のお庭には  夏の草が茂っています。

  極楽浄土に咲くという 蓮の花も

  名も知らぬ夏草に混じって 涼やかに咲いています。

 

  たびたび来ていると、人工を極力加えない方針がわかります。

 

  夏は草いきれで やや暑苦しく、

  冬は寒そう。

  四季の草花が ただ繁る  自然な景観が、

  恬澹(てんたん)と煩悩を離れた姿で、

  すがすがしい感じが致します。

 

  しかし ジョーチ君は見えません。

  お庭の奥に見える書院の縁側に待機していることが多いのですが、

  もう ひと月半は会っていません。

 

     桔梗

 

  このひと月半と言えば、

  猛暑があったり、大雨が降ったり、冷え込んだりと、

  とかくの天候不順でした。

 

   浄智寺 子安観音

 

  ここに坐(ま)します観音様は

  大きな高野槙の根方、

  高野槙の大きな蔭で涼しそうに御座します。

 

   ジョーチ君は元気でいましょうか。

 

  お供えに百合の花を

 

   鹿の子百合

 

 日が高くなってくると

 こんな真夏日でも散策の人が増えてきます。

 と言っても、鶴岡のあたりとはくらべものになりませんが。   

 

   浄智寺書院(庵堂)

 

 帰り際、山門横で上品なお寺の御婦人に消息を尋ねると、

 笑顔で近況を教えて下さいました。

   ありがとうございます。

   お蔭さまで元気でいますよ。

   庭の辺りにいませんでしたか。

 

  よかった!

  変わりはないようです。

  「持ち場」にいないのは夏休みなんでしょうか。

 

 

   蓮花(荷花)

 

「州宅堂前荷花」  南宋 范成大(はんせいだい)
   ※七言律詩より第三聯を抜粋
   「荷花」は蓮の花のこと。

 

  泥根玉雪元無染
  風葉青葱亦自香

 

 泥根(でいこん)玉雪(ぎよくせつ)元(もと)染まる無く
 風葉(ふうえふ)青葱(せいそう)亦(ま)た自(おのづ)から香(かんば)し

 

 水底の泥土に根を張っていても、
  美しく雪のように清らかな花は
  もとより泥の汚れに染まることなく、
 風に揺れる青い葉の間に、
  おのづから良い香りを漂わせている。

 

 

 北鎌倉駅前のギャラリー「猫の箱」

 

 

 看板猫のひとり うどんちゃん。

 涼しいお店で のんびりお店番(昼寝)中。

 

 

   “ ジョーチクン?  シラナイナ ”

 

 

    “ オテラ デ   オシゴト シテルッ テ? ”

 

   ねこの暮らしもいろいろだね。

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