ここにようやく来た真夏〈夏の日の十日 その2〉

2017年8月8日

天候のよくない夏ですが、

8月1日 新潟市はまだ梅雨が明けていませんでした。

 

新潟市中央区

 

  陽射しは強いのですが、

  それを遮る雲は低く、

  ひどい湿気です。

 

  高い所に青い空が見えますが、

  雲は黒々と厚く、

  雲が掛かるとあたりはすっかり暗くなります。

 

  展望台のある砂丘に咲く夏の花

 

 

  可憐な  カワラナデシコ。

    何と!「蘧(かわらなでしこ)」

    こんな一文字があるのですよ。

 

 

 

 

  花のあとに赤い実が鮮やかなハマナス。

  雲間から陽が射せば、

  あきらかな真夏の光です。

 

 

  葉を見ると  バラ科ということがわかりますね。 

 

 

 砂丘に続く坂道に

 

 

   小縞ネコちゃん

 

   ちょっと緊張気味なのは 

   理由がありそう

 

   塀の上には、この辺の顔役 

 

    “ テンボウダイコウジ フサダユウ  ト  モウスニャ ”

 

  そこのお家の裏、勝手口近くには、

  ウルサそうな小父さん猫

 

 

 “ ワカイモン ハ  チャント   アイサツ  シロニャ ”

 

 

  “ オカアサンガ  イナイト  チョット  コワイ……”

 

  猫にも社会があり、

  猫にもコワイ先輩がいるのでしょうね。

 

  気の好い  夕日君は この日は姿が見えませんでした。

  暑いので、どこかで涼んでいるのかもしれません。

 

 

  先輩をはばかって伏し目がちの小縞ネコ君と

  話している間に空が明るくなってきました。

  時は日暮れに近づいているのに。

 

 

 

  空気が  ふと 軽くなったような気がする

  不思議な夕暮れが来ました。

 

  その夜 

 

  新潟の夜景です。

  夜の明かりが信濃川に映って光ります。

 

  新潟市は水の街。

  信濃川が海に注ぐ手前で支流を作るので、

  古くからの街の中心部は  水路に陸を区切られた

  「島」なのです。

  水辺には柳の街路樹が、

  これも昔からの風景です。

 

  新潟市出身の江戸末の漢詩人  館柳湾(たち りゅうわん)の号は

  この柳の景観にちなんだものです。

 

  色白で大柄、

  人柄もおおらかで温厚篤実、

  人望があったという 詩人は、

  また、いかにも新潟の人らしく、

  大食漢であったことも知られています。

  一日一升。

  新潟のお米は昔から特別に美味しいのです。

 

  

 

  夜更けて、カラリとした月も出ました。

 

  そして 夜が明けて

     午前5時 朝の新潟港近く

 

  この日、新潟はようやく梅雨明けが発表されました。 

 

夏日睡起(かじつねむりよりおく)  

       館柳湾(たち りうわん:1762〜1844)

   獨臥風牀睡味長
   醒來殘日下西墻
   門前時有賣蟲過
   一擔秋聲報晩涼

 独り風牀(ふうさう)に臥すれば睡味(すいみ)長く
 醒め来たれば残日(ざんじつ)西墻(せいしやう)を下る
 門前 時に虫を売り過ぐる有り
 一担(いつたん)の秋声 晩涼(ばんりやう)を報ず

 

 ひとり風の吹き入る寝床に横になっていると
 睡りの味はよいものだ
 目覚めると夕日は西側の垣根に落ちている
 門前を虫売りが通り過ぎ
 担いだ荷から秋の声が  夕暮れの涼しさを報(つ)げる

 

 

   睡(ねむ)りより起く

  

   “  ヨク  ネタ ”

 

  真夏日も  のんきな  家ネコ生活のひたちくん

 

   “  ソロソロ  オキテ アゲル ”

 

 

    “ ミヤチャン  ハ  コワイ ケド 、

     トキド〜キ  ワスレタコロ  ニ 

     ヤサシク シテクレル  コトモ アル  ”

 

  天災なみだね。

 

  みやは厳しい先輩ですが、

  外のオニイサンたちにくらべたら

  ドウッてことないんでしょうね。

  後輩は いたって ノビノビしています。

 

 

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