梅花夜話 〈春は名のみの十日 その3〉

2015年2月19日

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  久しぶりに小雪も舞った今日、
  暮れて ひんやりしてまいりました。
  夜は雨がまた霙(みぞれ)に変わりそうです。

  みやとひたちは、ヒーターの温風のあたりのよい所を分け合って、
  のどかな毛づくろい。

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    “ ネコノモリノ シロイウメ マンカイダッテネ ”

                  “ アカイ オハナモ イッパイサイテルッテ ”

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  寒い時期に開花しても、梅の花は凛々(りり)しく颯爽と咲いています。

  古来 文人に好まれる花でしたが、比較的新しい時代の新島襄の詩にも、
  印象的な作品がありました。

       庭上(ていじやう)の一寒梅(いちかんばい)
       笑つて風雪を侵(をか)して開く
       争はず 又(また)力(つと)めず
       自(おのづか)ら 百花の魁(さきがけ)を占(し)む
                           ※原詩は末尾に

   競うのでもなく、また気負うのでもなく、
   それでいて、自然に、数多(あまた)の花の先頭をきって進んでいる。

     
  梅の花に 気高い精神性が重ねられるのは もっともな感じがします。

 

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  梅を愛した新島襄が開いた同志社大学には有名な「寒梅碑」があって、
  そこにも

    真理は寒梅の似(ごと)し
    敢(あ)へて風雪を侵(おか)して開く

  という言葉が見えます。

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  それはさて ひたち君 おなかの毛づくろい  苦しそうね。

 

      “ ヒタチクン  デ◯… ”
                  “ ダイジョーブ ダイジョーブ ”
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     “ ウメノハナ  雪フッテモ クジケナイッテ ”
                                “ カッコイイ ”

  でも、中には、咲いてから「早すぎたか!」と後悔するお花もあるらしい。
  実はそんな詩もたくさんあるんだけどね。

                  “ スズメノ木モ サムガッテルカナー ”
      “ ナニ スズメノ木 ”

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                   “ズズメガ サイテル木ダヨ ” 

          “ …… ”

                   “ グレコチャンガ オシエテクレタ ”

          if

                      チュン

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                      チュン

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                 “  デショ  ”

      グレ子ちゃんは 気まぐれにやって来て、オヤツを食べ、
      濡れ縁に上がってガラス越しに我が家の居間に参加し、
      マイペースに遊んで帰ります。

      その間中、ひたちは濡れ縁に面したガラス戸に張り付いて
      何ごとか語り合う様子です。
      どんなお話をしているのでしょう。

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              “ マタ クルネ ”

      この頃は  暗くなる前には引き上げてゆくグレ子ちゃん。
      家猫らしい暮らしになって来ました。 
 

  外は冷たい雨が止まず。
  居間では ふたりの毛づくろいが続いていました。

  機嫌が悪い時は 目が合っただけでスゴむ 気むずかし屋の みやです。
  今夜はそばにいて、ウニャウニャおしゃべりしていても、珍しく
  みやが怒らないので、つい、ひたちは調子に乗ってしまって
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                 “ チョット  手ツナイデ イイカナー  ”

    “ イクナイ! サワンナイデッテ  イッテルデショ!!”

  甘えてチョッカイ出そうとして、(いつものことですが)
  みやのご機嫌が急変。

  一瞬にして「激怒みや」に変身すると、シャァ一喝、猫パンチの嵐。

  平和な毛づくろいの夜はここで終わりました。

 

         ※ 庭上一寒梅
           笑侵風雪開
           不争又不力
           自占百花魁

                 「寒梅」新島襄

 

 

           

   

      

  

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