2010年6月25日

墨場必携:近現代詩 五月雨



 
23紫陽花6.jpg                                           22.6.23 東京都清瀬市



     五月雨     野口雨情「沙上の夢」

   五月雨の降る夜に君は
   川下[かはしも]の
   浅瀬を越えて逢ひに来[き]ぬ

   夜の明け頃に帰りゆく
   君を幾夜も
   川下の
   浅瀬の中に見送りし

   五月雨の降る夜となれば
   なつかしく
   その頃の君の姿がしのばれて来る

        
23紫陽花7.jpg                                          22.6.23 東京都清瀬市
    

     五月雨   与謝野晶子

   今日[けふ]も冷たく降る雨は
   白く尽きざる涙にて、
   世界を掩[おほ]ふ梅雨空[つゆぞら]は
   重たき繻子[しゆす]の喪[も]の掛布[かけふ]。

   空は空とて悲しきか、
   かなしみ多き我胸[わがむね]も
   墨と銀との泣き交[かは]す
   ゆふべの色に変る頃。

          
23紫陽花4.jpg                                          22.6.23 東京都清瀬市

          
10烏骨鶏.jpg                                      "オ散歩ニ 来マシタ"
       一人歩きの烏骨鶏を初めて見ました。



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