2010年3月 9日

墨場必携:和歌 椿 桃


5椿2.jpg                                            22.3.5 東京都清瀬市

  巨勢山[こせやま]のつらつら椿 つらつらに
  見つつ偲[しの]はな 巨勢の春野[はるの]を
                    『万葉集』54

    大寶元年辛丑秋九月太上天皇幸于紀[伊]國時歌
     巨勢山乃 列々椿 都良々々尓
     見乍思奈 許湍乃春野乎

        
3椿.jpg                                            22.3.5 東京都清瀬市


  常盤山[ときはやま]生ひ連[つらな]れる玉椿
  君がさかゆく杖にとぞきる(伐る)
                 『栄花物語』十三ゆふしで
  ※卯杖を詠んだもの。椿の木は堅く稠密で、古くから道具類・細工物の材とされた。


  葉をかへぬ 花さく春も万代[よろづよ]を
  八尾[やつほ]の椿 かけぞふりせぬ
                 正徹 『草根集』782


  十のかず八をの椿友とみん
  花もふりぬる雪の姿を
                  正徹『草根集』8574
 ※十のかず:地名「八を」の「八」を出すための枕詞のように用いられたもの


  たかね行く たよりにみがく玉椿
  光あらはせ かつらきの雲
                 正徹 『草根集』8574


美しい日本みや.jpg       「 桃」ヲ 詠ンダ 歌ハ  コノアト 追加イタシマス  

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