2010年1月23日

墨場必携:和歌

        
22池かも.jpg                                           22.1.22 東京都清瀬市

  山河は はやく氷[こほり]やとぢぬらむ
  里わの水に鴨ぞ群れゐる
            『うけらが花』橘千蔭


  春かけてかれず(=途絶えることなく)かたらへ
  初雪に跡つけそむる庭[には]の鶯[うぐひす]
            『うけらが花』橘千蔭


  見わたせば降りつむ雪を
  有明の月にみがける多摩の横山
            『うけらが花』橘千蔭


  出づる日の光にむかふ武蔵嶺[むさしね]や
  をみねことごと雪ぞさやけさ
            『うけらが花』橘千蔭
 ※末句「雪ぞさやけさ」不審。あるいは誤写あるか。
  係り結びを成立させるなら「雪ぞさやけき」が適当。


  東屋[あづまや]の軒の垂氷[たるひ=つらら]にうつろへる
  光も寒きあかほしの影
            『うけらが花』橘千蔭
 ※「あかほし」は明けの明星、金星のこと。
  暁方の空にはっきり見えることから古代より歌に詠まれる。
  「あかほしの」は枕詞にもなって「明け」に懸かる。


  霜のうへに冬木のかげをうす黒く
  うつしてふくる庭中の月
            『志濃夫廼舎家集』橘曙美


  月かげをこほりの上にはしらせて
  沈みにしづむ夜半[よは]の川音[かはおと]
            『志濃夫廼舎家集』橘曙美    

     
グレー縞々白.jpg        オ散歩ニ  来マシタ

【文例】 訳詩・近現代詩

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