2009年9月 1日

墨場必携:散文

         
26嶋.2jpg.jpg                                            21.7.26 東京都清瀬市

  八九月ばかりに雨にまじりて吹きたる風、いとあはれなり。雨の脚横さまにさわが
 しう吹きたるに、(肌寒くなって)夏とほしたる綿衣[わたぎぬ]のかかりたるを、
 生絹[すずし]の単衣[ひとへぎぬ]かさねて着たるもいとをかし。この生絹だにいと
 所せく暑かはしく、とり捨てまほしかりしに、いつのほどにかくなりぬるにかと、思ふ
 もをかし。暁に格子[かうし]、妻戸をおしあけたれば、嵐のさと顔[かほ]にしみた
 るこそ、いみじくをかしけれ。
                        『清少納言枕草子』198段

         
26女郎花2.jpg                                      ヲミナヘシ 21.8.26 東京都清瀬市



  野分[のわき]のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ。立蔀[たてじとみ]
 透垣[すいがい]などのみだれたるに、前栽[せんざい]どもいと心ぐるしげなり。
 おほきなる木どもも倒[たふ]れ、枝など吹き折[を]られたるが、萩、女郎花
 [をみなへし]などのうへによろばひふせる、いと思はずなり。格子[かうし]の壺な
 どに、木の葉をことさらにしたらんやうに、こまごまと吹き入れたるこそ、荒かりつる
 風のしわざとは思[おぼ]えね。
                      『清少納言枕草子』200段より抜粋


          
布施クロミ.jpg    F.クロミちゃん
         オ向カイニ  住ンデマス。
         オ散歩ニ  オ庭ヲ通ルト ひたちクンガ  ガラス戸デ 呼ビマス。
         デモ  行カナイノ。

【文例】 近現代詩

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