2009年9月 1日

墨場必携:漢詩 漢文


22川越.jpg                                            19.8.22 東京都清瀬市

 竹葉庵十首 其七    釈元政

   一枕短椽下
   清風葉葉涼
   恐人添曲節
   莫遇蔡中郎

  一枕[いちちん]短椽[たんてん]の下[もと]
  清風葉葉[えふえふ]涼し
  人の曲節を添ふるを恐る
  蔡中郎に遇ふ莫かれ

※椽[てん]:たる木。棟から軒に掛け渡して屋根を支える木。椽下は位置として軒の下
※蔡中郎:後漢の蔡邕。伝説的な琴の名手。
※莫遇蔡中郎:もし蔡邕に知られたら、この竹は切られてよい笛にされてしまうだろう、との意。

  軒の下に昼寝をすれば
  風は葉を鳴らして涼しげ。
  節回しをつける人がいてはと恐れる、
  この涼しい音色を蔡中郎に知られてはたいへんだ。

         
26mizu.jpg                                            21.8.26 東京都清瀬市

 竹葉庵十首 其八    釈元政

   吾廬無夏日
   竹葉翠長寒
   瓶水時移影
   絶勝月下看

  吾が廬[いほり]に夏日[かじつ]無きは、
  竹葉[ちくえふ]翠[みどり]長[ちよう]じて寒し。
  瓶水に時に影を移し、
  絶[はなは]だ月下に看るに勝[まさ]れり。

  私の廬に夏がないのは、
  竹の葉が翠濃く繁って、冷ややかであるからだ。
  瓶の水に映っている涼しい姿は、
  月の光に照らされて看るのに勝っている。

【文例】 和歌

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