2009年4月15日

花瓶

  スプリング・エフェメラルといえば、我が家の庭のチューリップもスプリング・エフェメラルといって良いのかもしれません。次の季節のためには、花の後、球根を掘り起こすものらしいのですが、我が家はその手間も掛けず、何もしてやらないのに、春のたびに地中から現れてきれいな花を咲かせます。
  構わない庭も春の花で賑わってきました。

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  注意してみると、同じ地域の中で、同じ植物であっても、たとえば早い桜遅い桜があるように、生き物にはおよその季節はあっても意外に個体差は大きいものです。
  季節の大勢として3月には桃の花を御紹介しました。ちょうどその頃、お隣の桃は花々ときれいでした。我が家の桃の木はしかし毎年遅く、桜と同じ頃、今年などは桜より遅くに花盛りを迎えました。まだ庭の隅で残りの花が頬笑んでいます。

  のんきなのは我が家のだけではないらしく、先日桃の枝をよそからも頂きました。家にあるのとは違う品種でしたので、喜んで 活けていると、やって来て、なにやらいそいそと手伝おうかという風情です。
桃hit3.jpg    桃hit1.jpg                                     

  みやはひとしきり点検して、"ああ、桃ね"と分かってからはもう特に気にならないようなのですが、ひたちは例によって花を食べ、瓶の水をかき混ぜてみたり、飲んだり。飾っている間は花瓶のあたりをしきりに気にしているなと、気になっていました。

          
Mi-3.jpg       左腕を下ろしてくつろぐ独特の姿勢で観察しています
          
hakomiy.jpg         みやには新しい空き箱の点検の方が大事

  しばらくして、ふと気がつきました。桃の花ではなく、この花瓶そのものにひたちの関心はあるのかもしれません。

  この花瓶は日用には大きいので、空で床の間の隅に休んでいることが多いのです。ひたちが来た一昨年の12月にも何も活けずに仏間の床の間にありました。ひたちが来て半年くらいした頃、携帯電話を家の中で紛失し、大騒ぎで探したところ、この瓶の中から出てきたということがありました。そのときに、一緒に瓶の中にあったのが、森永ビスケット・マリー3枚入りの袋(個包装のひとつです)、ネズミのおもちゃ、レシート、紙くずいろいろ。日ごろの行動から、これはひたちの仕業と分かったのです。

          

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kamehit2.jpg        20.2月 ひたち5ヶ月。まだお腹もほっそりしています。                                    

  しばらくして実際に、ひたちがひたちには大きい携帯のストラップを器用に咥えて、軽快に運んで行こうとするところを目撃し、以後は用心するようになりました。それでも携帯が見あたらない時は、だいたいこの瓶の中にあったのです。

  この瓶は、ひたちの気に入ったもの、大事な物を取りあえずしまっておく場所になっていたのかもしれません。愛着のある器なのかもしれません。

          
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