2009年3月15日

墨場必携:和歌


9meji1.jpg                                     桃にメジロ 21.3.9 東京都清瀬市
   春の歌
   我がやどの杜[もり]の木の間に百千鳥[ももちどり]
   きなく(来鳴く)春べは心のどけき
                     田安宗武『天降言』
         
19hohodiro.jpg                                     桃にホホジロ 21.3.19 東京都清瀬市

   限[かぎり]なき雲ゐのよそにわかるとも
   人を心に後[おく]らさむやは  
                『古今和歌集』367 よみ人知らず


   雲居[くもゐ]にもかよふ心のおくれねば
   別かると人に見ゆばかりなり
                『古今和歌集』368 清原深養父

         
18khakmk.jpg                                       白木蓮 21.3.18 東京都清瀬市

   別かるれどかげをばそへつますかがみ
   としつき経[ふ]ともおもひ忘るな    
                『続古今和歌集』853 恵慶


   をちこちの苗代水[なはしろみづ]にせきかけて
   春行く川は末[すゑ]ぞ別かるる
                『続拾遺和歌集』134 光俊


   忘るなよ流れの末[すゑ]は別るとも
   ひとつみやま(一つ深山)の谷川の水[みづ]   
                『新後撰和歌集』1358 蓬生


   別かるべき道やはつらき
   おほかたの世の中ばかりうきものはなし   
                『新千載和歌集』739 道済


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